【参加型連載】サービスのチカラ

【最終回】これからの接客・教育

2022年10月15日 2:25 pm

【第51回お題】●接客上級編● フィードバックの伺い方
 スタッフが空いたお皿を下げるときに「お味はいかがでしたか?」と聞いてきた

問題
 この場合、お客様は「おいしかったです」と言わざるを得ない。具体的にフィードバックをいただけるようなフレーズに変えよう

 


■解答

 「オススメさせてもらった○○は気に入っていただけましたか?」「○○の食感はいかがでしたか?」「今日からの新メニューなので、ぜひご意見を聞かせてください」「今日の○○もおいしかったですか?」「何かございましたか?」「○○と◇◇の組み合わせを楽しんでいただけましたか?」「完食ありがとうございます!気に入っていただけましたか?」「お食事を全体的に楽しんでいただけましたか?」「本日はありがとうございます。気に入った料理はございましたか?」……


■解説

 接客をしていて、業態や価格帯によっては、フィードバック(感想)を伺わない飲食店もあると思います。私は、どんなに素晴らしい料理をご提供できたとしても、感想を伺わないのは無責任だし、お客様のことを『知るチャンス』を無駄にしていると考えています。

 とはいえ、伺い方がお題のようならば困らせてしまうことも。そこでお客様が思わず感想を言いたくなる、以下の『8つのシチュエーション』でまとめてみました。

①オススメ→オーダーされたメニュー……王道中の王道。オススメした料理をオーダーしてもらえたら、「オススメさせてもらった○○は気に入っていただけましたか?」と必ず伺いたいです。例えばオススメの際、具体的に紹介できていればそのときのキーワード(解答例では食感)を使いましょう「○○の食感はいかがでしたか?」

②新メニュー&スペシャルメニュー……新人スタッフでも伺いやすいマーケティング手法。今後のブラッシュアップや商品採用の参考になるのでご協力いただくスタンスなら伺いやすい「今日からの新メニューなので、ぜひご意見を聞かせてください」

③いつものメニュー……常連の方に伺いやすい。いつも召し上がっている常連の方がその料理を知っている時に使える「今日の○○もおいしかったですか?」。味のブレがないか?『いつも・今日は』などのワードで常連様としてありがたさを伝えやすいし「今日の○○もイケてました?」とフランクに伺っても問題ない場合も

④浮かない表情……お客様の表情・行動・会話を見聞きし、ネガティブな感想なら踏み込む。『グッドマンの法則』によると、スピード解決→82%の方が満足され、リピーターになりやすいと言われている。「何かございましたか?」とお客様を見て入るように。少し具体的に「お口に合いませんでしたか?」でも可

⑤ペアリング・アレンジ……オススメのペアリングやアレンジなど、実際お味はどうだったのか? の確認。ペアリング「○○と◇◇の組み合わせを楽しんでいただけましたか?」・アレンジ(辛くする・大盛り・小盛り・おまかせで作るなど)「辛さはちょうどよかったですか?」

⑥中間バッシング……バッシング自体を目的としない(急かされていると感じる)。フィードバック→バッシングの順の方が会話もでき、下げものもしやすくなる「ご完食ありがとうございます! 気に入っていただけましたか?」

⑦デザートを伺う前……食事全体の感想を。食事全体の印象を伺って、次の展開(追加・つまみたい・デザート食べたい)につなげる「お食事を全体的に楽しんでいただけましたか?」や「お腹いっぱいになりましたか?」

⑧会計前……本日全体の感想を。お店で過ごしていただいた時間への感謝と印象に残す意味合いも「本日はありがとうございます。気に入った料理はございましたか?」

 どんなに自信がある料理でも、お客様は千差万別。シチュエーションによって伺い方を変え具体的に聞ければ、その方の好きなものや味の傾向を知ることができ、ファンになっていただきやすくなります。


最後に
 コロナ禍で、集合研修ができない……採用が厳しくなり教育に時間を割けない……など悩みが尽きません。その悩みを解消すべく『接客の脳トレ』としてseasonⅡが始まりました。

 営業外のスキマ時間に脳内の経験値を増やすことで現場力が上がります。お店で起きている『素晴らしいこと・悔しいこと』すべてを皆さんがお題にできるはず。

 すぐできる『これからの接客・教育』のスタイルとして、皆さんのお題でスタッフとともにお客様が笑顔になる世界を創り出してください。

 1年6カ月お付き合いいただき、ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。