飲食店の物件情報サイト「飲食店.COM」などを運営するシンクロ・フードが4月25~26日、飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)502人に、原材料の価格高騰について調査した結果、昨年3月と比べた今年3月の仕入総額について約60%の店舗が「10%~30%増えた」、さらに10%以上の店舗が「40%以上増えた」と回答する一方で、「値上げした」という回答は26.5%。最も多かったのは「値上げを検討中(46.6%)」となり、73%以上の店舗が、現状では値上げをしていないことが判明した。
「値上げをした」、「値上げを検討中」と回答した人に、どれくらい値上げしたか(または値上げする予定か)を質問すると「5~10%未満」との回答が最も多く、57.5%。「5%未満(19.1%)」を合わせると、76.6%の店が「10%未満」の値上げを行う意向であることが分かった。また、「10~15%未満」も18.8%いた。
さらに「値上げした」と回答したお店に、その影響を聞いてみると、最も多かったのは「特に反応はなかった(45.1%)」、34.6%は「客単価が上がった」と回答した。
一方で「客足が減った(16.5%)」、「お客からネガティブな意見をもらった(6%)」という、マイナスの影響をあげる声も22.5%あった。
興味深いのが、「お客からポジティブな意見をもらった」は9.8%とネガティブよりも多く、昨今の原材料高騰をニュースなどで知っている層は理解を示しやすいのかもしれない。
原材料費の高騰による影響を尋ねたところ、「影響している」が最も多く59%。次いで「やや影響している」が31.1%と、90%以上の飲食店が、原材料費の高騰を実感していた。
「影響している」、「やや影響している」と回答した店舗に、価格が高騰している品目を聞いてみると、「食用油」が最も多い68.4%。
次いで「小麦粉、小麦加工品」が63.3%。さらに「牛肉・牛肉加工品」、「アルコール類」、「乳製品」、「鶏肉・鶏肉加工品」、「野菜」がすべて30%以上で続いた。
また、今年の1月から4月までの売上と利益について、昨年同期間と比較してもらったところ、最多の回答は「減収減益」で、22.1%。続いて、「売上も利益も横ばい(17.7%)」、「増収増益(17.5%)」、「増収だが利益は横ばい(13.9%)」となった。
次に、利益を出すために実施している対策について聞いたところ、「メニュー価格の値上げ」が最も多く、43.6%。次いで「人件費・光熱費などの削減」が42.8%。次いで「集客に力を入れて売上向上を目指す(39.8%)」、「食材をより原価の安いものに変える(27.3%)」と続いた。