最長で45日先の来客数や売上などをAIが予測するクラウドシステム「AI -Hawk-」を提供するROX(神奈川・元住吉、中川達⽣社長)は、予測精度を向上させデリバリー・テイクアウト業態でもAIを活用した予測ができるようにした。
「AI -Hawk-」は、独自開発したアルゴリズムにより少ない学習データでも予測計算できるようにしたのが最大の売りで、天気などのビッグデータとこれまでの来客数などのデータがあれば最大45日後まで予測する。
予測できるのは、客数、売上、各メニューの注文数、ランチやディナーなど時間を限定した客数、最適シフト人数など。それぞれ予測したい項目について1年以上分のデータが揃っていることが望ましいものの、1カ月分のデータがあれば利用できるので、テイクアウトやデリバリーを始めたばかりの店舗でも、すぐに導入できる。ただし、データは多い方が精度は上がるため、データが少ないとその分、精度は下がるという。
同システムはクラウド型のウェブアプリのため、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンでも利用できる。これまでのデータをエクセルでアップロードし、導入後は毎日、客数や売上など予測する項目のデータを画面から直接入力するだけで済む。知りたい項目の予測を実行すると、2~3分後に予測値やグラフがわかりやすく表示される。
契約数は累計70 件以上で、主にパン店、和菓子店、洋菓子店、ビュッフェレストラン、社員食堂などの業態で導入されている。パン業態20店舗で1カ月間検証した結果では予測精度94%を記録し、⾷材の廃棄量を55%削減した店舗もあるという。また、最適シフト予測では、客数100人あたりで必要となるスタッフ数を入力することで、客数の予測データを掛け合わせて、シフト人数を計算する。
導入する際に、新たに専用端末やPOSシステム、ビデオカメラなどを用意する必要はなく、初期費用もかからない。料金は1店舗1データ当たりの料金プランを3種用意している。
スタンダードプラン(月額税別9800円)では45日先の予測と最適シフト予測が利用でき、データ追加オプション(同1万円)を加えると、同一店舗で5データ分の予測を追加できる。例えば「来客数+ 売上 + メニュー1 + メニュー2 + メニュー3」など、主要メニューの注文数を追加する使い方が多いという。ワイドプラン(同1万1800円)では、スタンダードプランにランチやディナーなど時間ごとの来客数や売上の予測が加わり、データ追加オプションも同様に使える。サポートプラン(同4万9800円)では、さらにコンサルティング対応が加わり、データ追加オプションは無料となる。