コラム

ガチ中華にはガチ中国酒を!「白酒」を盛り上げる協会が誕生【日本中国白酒協会】

2022年6月4日 9:23 am

 最近、都内を中心に「ガチ中華」が流行りつつある。2022年4月15日号の日本外食新聞でも、「『ガチ中華』とは一体何ぞや?」と題した特集を組んだ。

 東京ディープチャイナ代表の中村正人さんによると、「今までは北京、上海、四川、広東といったいわゆる中国四大料理のお店が主だったが、近年になって湖南料理や雲南料理、蘭州麺といった、日本人には馴染みが薄かった中国の地方料理を出す、いわゆる『ガチ中華』が増えてきた」という。

 要は、日本人の味覚に合った町中華とは対極にあるのがガチ中華だ。詳しくは本紙をお読み頂ければ幸いだが、そんなガチ中華に合う「ガチ中国酒」の一つである中国の蒸留酒「白酒(バイジュウ)」の魅力を広めたい! と、このたび、一般社団法人日本中国白酒協会が設立された。

 白酒とは、高梁(コウリャン)や小麦、豆類、とうもろこしなどの穀類を原料とする中国の蒸留酒の総称だ。フルーティーな香りが特徴で、上品でまろやかな醤香(ジャンシャン)、さっぱりとした清香(チンシャン)、伝統的な独特の香りを持つ濃香(ノンシャン)の3種類があり、含まれる香り成分は数十種類にのぼると言われている。

 アルコール度数は50度前後と高く、同協会によると「アルコールが口の中の油を洗い流し、さっぱりさせてくれるため、中華料理との相性は抜群。ストレートやロックが伝統的だが、炭酸で割る『バイボール』も食中酒としておすすめ」だという。

 同協会の黄曜東会長は、「白酒は世界で最も多く飲まれているお酒だ。一方で、日本での知名度はまだそれほど高くない。今後は日本市場の開拓をミッションとして、さまざまな企画を展開したい。近い将来、日本でもハイボールのように白酒を使った『バイボール』が注文されるようになってほしい」と期待を寄せる。

一般社団法人日本中国白酒協会の創立メンバー(中央が黄曜東会長)

 初代ラムバサダー・羊齧協会代表で同協会理事の菊池一弘さんは、「白酒を炭酸で割り、たくさんのパクチーを入れてモヒート風にするだけで差別化メニューになる。ウオッカと同じく、ストレートはもちろんさまざまな割り材と合わせられるので、色々と試してみてほしい」と、白酒の可能性について語った。

 今後はサイトやSNSなどを通じた日本国内での情報発信や飲食店従事者向けの勉強会の開催、大型白酒イベントの開催などにより、白酒の普及啓発を行っていく。

設立記念会では多彩な白酒が振る舞われた