コラム

缶詰をアテに出す時は直火厳禁! 有害物質が溶け出し健康被害を及ぼす危険性あり

2022年10月19日 9:43 am

 缶詰をアテとして出すお店もある中、良かれと思い、缶ごと直火で温めて提供するケースもあるのではないだろうか。心当たりがある場合は、お客さんの健康を害しかねないので、即刻止めたほうがよさそうだ。

 10月18日、三幸貿易公式@SANKO_TRADING)のアカウントがツイッターで以下のようにつぶやいた。以下引用(太文字は記者による)。

 「キャンプブームで缶詰の直火(オーブン含む)調理を紹介している記事や動画がよくあります。 缶は金属腐食を防ぐ為、樹脂でコーティングされており、BPA(ビスフェノールA)が多く使われます。 BPAは一般的用途での溶出はほとんどありませんが、120度を超える加熱では溶け出します。」

 ビスフェノールA(BPA)とは、缶詰内部の腐食を防ぐためにコーティングするエポキシ樹脂に、原料として含まれる化学物質だ。人体への影響はまだ不明だが、きわめて微量でも動物の胎児などに影響が生じる場合があるという報告がある。

 120度を超える加熱で溶け出すということだが、家庭用ガスコンロの弱火でも180度になるので直火がけは大変危険だ。

 続くツイで、「BPAは内分泌かく乱作用があり、発がん性や様々な健康被害が報告される物質です。日本政府でもEU、アメリカでも常温での溶出基準については厳格に管理されています。 缶詰の加熱は湯煎でお願いします。火を止めてからお湯に入れても充分温まります」とする。

 三幸貿易公式アカウントが紹介した、公益社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会のサイトのページ(https://www.jca-can.or.jp/useful/news/1854)にも、「缶詰の直火かけは(略)絶対に避けて頂きますようお願い致します」とある。

 温めて出す場合は、缶の蓋を開けて湯煎するか(未開封だと爆発する恐れがあるため)、別の容器に移して加熱してから缶に盛り直すなどして、缶からBPAが溶けださないようにしたほうが賢明なようだ。