コロナ禍で一気に普及したフードデリバリー。国からの要請による休業中や時短営業中に、フードデリバリーを活用して売上を立てられた飲食店も多いだろう。
一方でフードデリバリー配達員は、「大きなバッグがお店に迷惑がられそう」「飲食代など出費がかさむ」といった理由から、休憩時間に客としてお店を利用することに抵抗があるケースが多く、休憩場所に困るという実状がある。
一方で配達員の休憩時間は、配達依頼が減少する14時～17時がメインだ。お店のアイドルタイムであることから、配達員が来店してもバッグはそう邪魔にならないし、お店にとっても売上となる。
そこで、お店側の「配達員歓迎」の意向を見える化し、さらに割引などの特典を受けられるよう、エニキャリ（東京・永田町、小嵜秀信社長）が運営母体の、配達員専用会員制コミュニティ「デリバリーCITY」は、YUM JAM（ヤムジャム、東京・東陽町、井手庸介社長）と協業し、５月10日からフードデリバリー配達員が休憩時間に客として気軽に飲食店を利用できるサービス「YUM JAM pass（ヤムジャムパス）」の提供を開始した。現在加盟店を募集している。
「デリバリーCITY」は、Uber Eats 配達パートナーのナナさんが中心となり、所属・契約先や雇用・契約形態にとらわれない、配達員による配達員のための会員制コミュニティとして2022年2月８日に設立された。
確定申告のやり方や事故時のトラブル解決法といった、配達員のためのコンテンツ発信やサービスを通して配達員の不安を解消し、配達員が夢をもてる働き方を形成する支援を行う。会員登録や利用料は無料。
「デリバリーCITY」サイト
「YUM JAM pass」は、この「デリバリーCITY」アプリの会員証を「YUM JAM pass」加盟店で提示することで、割引や優遇を受けられる配達員向けのサービスだ。
加盟店では大盛無料やソフトドリンク1杯サービス、割引、休憩のみの利用可（注文不要）などの歓迎・優待が受けられる。
加盟店のエリアは現在は東京、千葉、大阪で、2022年5月10日時点の加盟店は「筋肉食堂 六本木店／銀座コリドー店／渋谷MIYASHITA PARK店／渋谷店」、「ぬちぐすい（東京・台東区）」など計15店舗。
現在、「YUM JAM pass」では加盟店募集をしている。入会費や月額費などの費用負担はなく、配達員に提供するサービスは店側が自由に設定できる。
今後は、配達員の利便性向上と加盟店の売上拡大に貢献できるよう、加盟店舗数の増加ならびに加盟店エリアの拡大を推進していくという。
お客さん目線としては、店内で配達員が飲食をしていたら「配達員さんが食べているぐらいだから、ここはおいしいのでは？」「配達員に支持されているお店っていいじゃん」となりそうだ。
