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注目されるリターナル瓶のミネラルウォーター発売【富士ボトリング】

2021年11月25日 5:36 pm

 外食企業にもSDGsへの取り組みが求められる中、積極的に推進する企業がある一方、「どのようなことをすればいいのかわからない」「余計な手間をかけたくない」という店舗もまだ多い。そんな中、ペットボトルが普及する前は一般的だった瓶の飲料が再び注目され、瓶をリユースすることでSDGsに貢献できるということで、瓶を採用するホテルや飲食店がじわりと増え始めている。

 そんな中、リターナブル瓶の製造・販売と大手飲料メーカーからリターナブル瓶を使った清涼飲料を受託製造している富士ボトリング(神奈川・足柄、山崎和彦社長)は、リユースボトル(瓶)を使ったミネラルウォーター〈足柄聖河〉360mlを2月に発売し、その販売エリアを広げている

 同社は大正10(1921)年、神奈川・小田原に創業された山崎鉱泉所が母体で、大日本サイダーの製造・販売から始まり、瓶飲料のパイオニアとして知られていた。昭和48(1973)年、近代化を目指し富士ボトリングとなり、リターナル瓶の製造とともにアサヒ飲料やポッカサッポロフード&ビバレッジなど大手メーカーの清涼飲料の受託製造をするようになった。

 一時期はペットボトルの普及で瓶の生産量が減ったものの、SDGsへの意識の高まりから再注目され、コロナ禍前までは順調に製造を伸ばしていたという。そこにコロナ禍が襲い大きなダメージを受けたため、以前から構想していた自社製ミネラルウォーターの製造に乗り出したという。

 同社で回収したボトルは20回以上繰り返し使用でき、瓶の運搬用ケースは40年以上の耐久性があり、王冠もリサイクルされる。また包装材やラベルを使わないのでゴミが出ず、使えなくなったガラス瓶は再びガラス瓶にリサイクルされ、ケースも再生資源となりパレットなどになるため、環境負荷の低減に役立っている。

 今回発売したミネラルウォーターは、丹沢山地の麓にある足柄平野の地下100mから汲み上げた深井戸水で、軟水ならではのスムーズで軽やかな飲み口を楽しめる。

 東京・有楽町のフランス料理店「アピシウス」のシェフソムリエで足柄聖河アンバサダーの情野博之氏は「水のクラスターも細かく、お酒ではないですが『五臓六腑に染み渡る』ように身体に馴染む。寝起きやスポーツ後、風呂上りなどTPO関係なく身体を労ってくれ、いま美容業界で注目のミネラル分『シリカ』の含有量が多く健康にも良いまさしく『飲む美容水』であり、箱根が誇る名ミネラルウォーターです」とコメントしている。

 販売は1ケース30本入りからとなり、現在、瓶を回収できる卸業者との提携を増やし、エリアを拡大中だという。