
この1年ほどでニューオープンしたお店は、まだまだ常連様が少ないかもしれないので、売上が不安定になりがちです。前回のお題の解答・解説や、次回のお題からヒントを得て活用していただけるとありがたいと思っています。 |
【第21回お題】 ●オペレーション編●
お店を構成する要素の「居心地」に関するお題
問題
五感の一つ「嗅覚」で、お客様に居心地の良さや飲食の楽しさを演出するものを箇条書きで4つ挙げよう
■解答■
ポジティブ……肉が焼ける香り/ニンニクの香り/炭火などでの炙り/フレッシュハーブ/コーヒーなどのロースト/焼き菓子などスイーツの香り/目の前で料理などの蓋を開ける/ワイン/柑橘を絞るなど
ネガティブ……香水/強めの柔軟剤/トイレのアンモニア臭/グリストラップ/カビ臭など
■解説■
「嗅覚」により「居心地の良さ」を作り上げるためには、まず「ネガティブ…現実に引き戻され、不快に感じる」ようなことを排除することから始まると考えています。例えば、それがニューオープンのお店だとしても、今後劣化することを想定して、そうさせないための準備・施策が必要です。
特に「嗅覚」、つまり臭いに関することは、汚れなどが溜まりに溜まって発することが多いので、いざ改善しようとしたときには、かなりの労力(コスト・時間)がかかってしまう可能性が大きいからです。
ここで挙げた解答例では、トイレ・グリストラップ(厨房から出る排水に含まれる油や調理カスが溜まる場所)、カビ臭(使っていない場所やソファー・クッションなど)などは前述したとおり、蓄積によるものが多いので、日々の清掃や換気など見直していきましょう。臭いの元は蓄積されると固形物になりやすいです。アンモニアなら尿石、グリストラップには油脂、カビも根が生えるのでご注意を。
スタッフの香水はNGの飲食店が多いです。せっかく作った料理のおいしさを損なうからです。それに準ずるような刺激臭は控えることをオススメします。
続いて「ポジティブ……お客様がワクワクや楽しさ、明るさを感じる」ような場合ですが、まずワードチョイスの話をさせてください。漢字で書くと「臭い」ではなく「匂い」となりますが、発音が同じなので、私は「香り」を使っています。言葉からも華やかな広がりを感じていただけるのではないでしょうか?
解答例で挙げた項目は、まさに食を嗅覚(五感)で感じていただく醍醐味のようなものばかり。料理は食材や調理、盛り付けで完結させてしまいがちですが、少なくとも香りを意識してもらえれば「味覚」「視覚」にプラスして「嗅覚」となり、五感のうち3方向から感じていただけるので、より強い印象が残るのです。
覚えておいて損はない情報として「嗅覚」は他の五感と違った特徴を持っています。皆さんは臭いや香りを嗅いで、それに関連する記憶や感情がよみがえってきた経験はありませんか? この現象は「プルースト効果(プルースト現象)」と呼ばれています。
実は「嗅覚」から入った情報は、直接、脳内の感情や記憶を司る場所(大脳辺縁系)に届きます。脳内の論理的に整理するプロセスを経由せずに、ダイレクトで本能に働きかるため「快・不快」「好き・嫌い」の感情と密接に結びつき、強い印象として長く記憶に残るのです。だからこそ「ネガティブな臭い」の印象では再来店すら見込めない可能性が高まります。
「ポジティブな香り」が広がりやすい商品は、ぜひお客様の目の前でプレゼンテーションをして、シズル感の演出をしてください。
【第22回お題】 ●オペレーション編●
オーダーしたいお客様から「すみません!」と呼ばれることが多いと、お客様に手を煩わせてしまっている……。
問題
呼ばれないために、自分自身ができることは何か? ひとつ答えよう
補足情報
※卓上などの呼び鈴やベルは無しで考える
※チームではなく個人でできること
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