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調理後1分で清掃完了し油消費量半減できる水冷式フライヤー誕生【クールフライヤー】

2021年6月28日 8:46 am

 からあげ店が次々と出店するなどフライ系料理の人気は高く、今後も続くと思われる。しかし、飲食店にとっては、油の劣化や油ハネ、オイルミストなど調理や清掃などの運用面で課題も多い。

 そこで、フライヤーの研究・開発を進めてきたクールフライヤー(神奈川・緑園都市、山田光二社長)は、油を長持ちさせ消費量を減らすとともに、油ハネや油煙、オイルミストの発生を抑える卓上型の水冷型フライヤー〈クールフライヤー〉を発売した。

 同社は、油の劣化や油ハネなどの主要因が「揚げカスや不純物の炭化」と「水分が油槽内で加熱され、気化すること」であることを突き止め、クールフライヤーでは特許を取得した油槽全体を水槽で覆う冷却構造を採用。油槽の底部を水で冷やすことで、調理油層は160~180℃、ヒーター下の低温油層は80℃以下、最下部は40℃以下に維持できるようにした。

 さらに、二重構造のヒーターにすることで、油槽内に下降対流を発生させ、多くの水分を放出する食材投入を自動検知し、独自の加熱制御により揚げカスや不純物、水分を素早く油槽底部に沈殿させることに成功した。

 これらの技術により、「揚げカス・不純物炭化の抑制」「高温で水と油が接触することによる加水分解の抑制」「水分の加熱・気化による油ハネの抑制」を可能にした。

 調理内容により違いはあるものの、一般のフライヤーと比べて50%程度油の消費量を減らせ、清掃や油の処理にかかる時間も削減。別売りの油回収装置〈クールポッド〉を併用すると、油が冷めた後に自動で回収するため、油のろ過も不要となる。

 そのため、スタッフは調理後の油温が高いうちにスクレイパーで油槽壁面を清掃し、本体外装と周囲の汚れをふき取り装置のスイッチを入れるだけで済む。同社の計算では調理後1分程度で片付けをすべて終了できるという。翌日調理する際は、揚げカスと共に残った少量の油をキッチンペーパーなどで拭きとり、お湯を絞ったタオルなどで拭きあげた後、タンクの油をそのまま油槽へ戻せば準備完了となる。

 調理温度は60℃以上1℃単位で設定可能で、20℃から170℃まで15分程度かかる。また、水冷式なので1時間に7リットルの水を流し続ける必要がある。排水時にはお湯になっているため、洗い桶などに溜めて利用するなどの工夫が必要になるかもしれない。

 電源は単層200V、外形は幅308(リフトUPアーム込みは328㎜)×奥行464×高さ269㎜、油槽部分は幅240×奥行300×高さ220.5㎜とコンパクトサイズで、標準油量は6.7リットル。60gコロッケで8個程度が目安だという。重量は15.5kgで、水道との常時接続が必要となる。

 本体価格は43万7800円(送料込、離島などは除く)、油回収装置〈クールポッド〉のCP-A1(電動タイプ)は4万3780円、同CP-M1(手動タイプ)は1万6280円。