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日本初となる無人店舗カフェの実証実験開始【New Innovations】

2021年6月16日 1:11 pm

 コロナ禍により人手不足については少し緩和されているものの、通常営業が始まれば再び人手不足が深刻になることが予想される。大手企業ではさまざまなロボットを導入しているが、いよいよ無人店舗の出現も近いかもしれない。

 New Innovations(東京・門前仲町、中尾渓人社長)は、JR東日本クロスステーションデベロップメントカンパニーと協業し、AIカフェロボット「root C(ルートシー)」を「マーチエキュート神田万世橋」に設置し、無人店舗運営の実証実験を始めた。実証実験期間は9月30日まで。

 今回の実証実験は、「規制のサンドボックス制度」を活用して、経済産業省が「ロボットを用いた無人カフェ営業の実証(AIロボット×無人化×飲食業)」を認定したことで実施できる運びとなったもので、食品衛生法分野で無人店舗の実証計画を認定するのは日本初となる。

 同認定では、「root C(ルートシー)」はカップ式自動販売機に相当するとして、遠隔から衛生状態を常時監視し、定期的な人の手による清掃などのメンテナンス体制が確保されているため無人店舗でも食品衛生法違反にならないとした。

 AIカフェロボット「root C」は、専用アプリから注文を受けると来店時刻に合わせて全自動でコーヒーを淹れ、そのコーヒーをロッカーに設置。購入者は指定されたロッカーからコーヒーを受け取る仕組みとなっている。

 今回、新たにコーヒーだけでなく牛乳を使ったカフェラテもアイテムに追加。単品450円での購入に加えて、月8杯まで1980円のリミテッドプランと杯数無制限で月7980円のアンリミテッドプランの二つのサブスクリプション(月額定額制)も用意した。

 同社では、「無人店舗の衛生管理技術を他の様態にも展開できるよう実証を進め、人口減少に伴う労働力不足問題の一助となるなど、無人店舗の拡大が社会の利益に資する形で広まることを目指す」としている。