配膳ロボットを導入する店舗が増える中で、多くのメーカーが提供しているロボットは、トレイを乗せる部分がオープンになっている。これに対して、コロナ禍で飛沫を気にするお客さんが増えていることから、衛生面を気にするコメントなどがSNSなどでも散見される。
サービスロボットの開発などを手掛けるエイム・テクノロジーズ(東京・虎ノ門、吉本万寿夫社長)は、上海立名智能科技(Linming)が開発したAI配膳ロボットを日本の環境に合わせてチューニングした扉付きの「AIM ROBOT SAKURA(エイムロボット サクラ、以下SAKURA)」を開発し、導入店舗を広げている。
「すし銚子丸」や「福しん」などでも試験導入されている「SAKURA」は、扉付きのクローズ型にすることで、配膳途中にほかの席からの飛沫やゴミが料理に入ったり、イタズラされたりすることから防げる点と、13インチディスプレイを設置できるので、今日のおすすめメニューやキャンペーン、マスコットアニメなどの動画を流せる点が特徴となっている。
また、自社でシステムを運営しているため、こまめに機能をアップデートできるほか、それぞれの店舗に応じた独自のプログラミングにも対応しやすい点も売りとしている。
扉は片側から開く通常タイプに加えて、非接触で上下に開け閉めするロール巻きタイプ、観音開きタイプなどに変更することも可能。また、SLAM技術を搭載しているので、マーカーなどを設置する必要がなく、店内のマッピングデータを入力するだけで決められたテーブルに移動する。安全面にも配慮されており、3個のLiDAR(光)センサーが周辺の状況を素早く把握し、障害物を回避する。
トレイは300×340㎜のお盆に対応し、3段載せられるほか、専用のドリンクホルダーを設置することもできる。最大荷重は100㎏。発話機能も搭載しているため、あいさつのほか、配膳時におすすめの料理を声がけして追加注文を促すことなどもできる。店舗によっては、配膳以外にも下膳や入店客を席まで案内することなどにも活用できるという。
現在、試作機が完成した人形型マスコットロボット「WAWA」を乗せれば、案内、遠隔会話、カメラ、QR読み取り、CO2測定など各種の機能を搭載でき、見た目のかわいさから集客にも役立てられるという。
利用料金は、1カ月の無料トライアル付きで3年契約の場合、月額10万円(税別)となる。