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6割の店が「マスク会食」呼びかけ【シンクロ・フード】

2021年5月26日 9:31 am

 ​飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」や物件情報サイト「飲食店.COM」を運営するシンクロ・フード(東京都渋谷区、藤代真一社長)は、コロナ禍で推奨または要請される飲食ルールとイートインの現状についてアンケート調査を実施した。

 調査は2021年4月16日、「飲食店.COM」の飲食店経営者・運営者会員445人を対象にしたもの。

 まず最初に、2021年3月の経営状況についてコロナ禍前の19年同月と比較してもらったところ、最も多かったのは「19年3月より70%以上減った」で17.5%。

 次いで、「30%減った(13.7%)」、「60%減った(13%)」、「50%減った(12.8%)」という結果になった。

 飲食店において「マスク会食」や「黙食」を来店客に推奨しているか、また実践状況はどうかについては、27.4%が「店からも呼びかけており、ある程度のお客様が実践している」と回答。

 さらに、「店からは呼びかけているが、実践するお客様はあまりいない(21.8%)」「店からは呼びかけていないが、ある程度のお客様が実践している(20%)」と続いた。

 この結果から、60.9%の飲食店が何らかの形で新しい飲食ルールを案内しており、66.1%のお客さんが実践していることが明らかとなった。

 どのような方法で案内しているかでは、最多は「店頭や店内の壁にポスターを掲示する」との回答で66.8%。

 続いて「お客様の話し声の大きさ等、状況に応じてお伝えする(35.8%)」「入店時に口頭でお伝えする(34.3%)」となった。

 そうした案内の際、お客さんからはどのような反応が多く返ってくるか尋ねたところ、以下のような回答が寄せられた。そのなかからいくつかを抜粋した。

協力的に対応してくれる
・全てのお客様が当たり前のように御協力してくださいます(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・入口に貼ってあるポスターの効果なのかお客様自体の意識なのか、さらなるお願いをしなくても新たなルールを守っていただいてる状態です(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
基本的に協力的だが、時間とともにおざなりになる
・最初は皆さん気持ちよく応じて下さり、新しい体験を楽しんでおられる様子。ただ、お酒が進むと難しい (大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

・不快な顔をされる方はおりません。が、お酒がある程度入ると、声が大きくなったりする方もいらっしゃるので、口頭でお伝えしています(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

適当に流される
・「そうですよね」と軽く流される事が多い(東京都/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

・返事だけで協力してくれる方は少ない(埼玉県/鉄板焼き・お好み焼/2店舗)
不快感を示された
・ほんまにそれで防げると思ってるのか?と言われた(大阪府/アジア料理/1店舗)

・SNSで最低評価をつけられた (東京都/フランス料理/1店舗)

トラブルになった
・お客さん同士で、あの人たちはマスク外して喋り過ぎだ、とトラブルになった(神奈川県/アジア料理/3~5店舗)

・何度かトラブルにつながってしまった(東京都/バー/1店舗)

 マスク会食や黙食はお客さん全員が協力してくれないと、トラブルのもとになりがちだ。また、トラブルを防止するコツとして、以下のような声掛けを行っているという回答も。

・敢えて見回り隊の方を共通の敵として表現し、見回り隊が来るからゴメンねーと依頼している。それが一番すんなり応じてくれる(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

・伝える時に業務的にならないよう「お約束の…」なんて言いながら、確実に手指消毒などやってもらう(東京都/フランス料理/3~5店舗)

 見回り隊の人々には申し訳ないが、あえて共通の敵と仕立てることで、スムーズにマスク会食や黙食ができるのであれば、このような呼びかけは有効かもしれない。