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AIが24時間電話予約対応し変更やキャンセルも処理【トレタ】

2021年4月18日 9:47 am

 ネット予約が徐々に普及してきてはいるものの、予約の日時変更やキャンセルなどは電話で行うことが多く、飲食店の現場では依然として日々電話対応に追われる状況が続いている。

 飲食店向け予約・顧客台帳サービス「トレタ」を開発・販売するトレタの子会社トレタCCは4月15日、飲食店の電話予約をAIで自動受付する「トレタ予約番」の提供を始めた

 「トレタ予約番」は、飲食店にかかってきた電話をAIが自動で24時間365日対応するサービス。新規予約の受付から配席・登録まで自動で行う。予約者には予約確定時にSMSを配信することもできる。個室希望の確認のほか、希望日時に空席がなかった時に別時間をリコメンドし、「トレタ予約番」で受け付けた予約であれば日時や人数の変更・キャンセルにも対応する。

 また、時間帯ごとに店舗に電話を転送するかどうかを設定でき、予約者が店舗への電話を希望した場合、AIから店舗に転送することも可能だ。その際には、AIが予約者情報や予約日時などを音声で伝えるため、受電した飲食店スタッフは、予約者に同じ質問を繰り返すことなくスムーズな応対ができる。加えて、転送と同時に「トレタ」上でも予約者情報が表示され、すぐに追加情報を反映できる。

 上位サービスである「トレタ予約番 CAエスカレ」では、トレタCCの電話受付業務に特化した高いスキルを持つCA(コールエージェント)が、転送された電話応対を代行。AIとCAのハイブリッド対応で、店舗の電話対応を大幅に削減しながらも、人による柔軟な対応を実現した。

 AIが発話している途中に要件を伝えられた場合でも、その発話を捕捉できるチューニングを施している。ただし、誕生日のサプライズやアレルギー対応など個別要件には対応できないため、店に転送するか「トレタ予約番 CAエスカレ」での対応となる。

 トレタCCの調査では、営業時間外の着信は33%で、うち営業時間内にかけ直す比率は10%程度と、営業時間外の機会損失は小さくないという。実際に、先行導入した外食企業(都内5店)では、2020年12月の1カ月間に営業時間外の電話対応を「トレタ予約番」に切り替えたところ、1168席の予約を受け付け、約600万円の追加売上に貢献した。

 当面は「トレタ」を導入している店舗のみでの利用となり、利用料金なども個別問い合わせとなるが、トレタCCが提供する電話受付の代行サービス「トレタコンタクトセンター」と比べると1/5程度までコストダウンできるという。また、将来的には他社の台帳サービスとの連携も視野に入れている。