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これはビックリ! バッシングまでできる配膳ロボの試作品を公開!!【スマイルロボティクス】

2020年10月1日 11:45 am

 日本の飲食店でも配膳ロボットを導入する企業が現れる中、下膳も全自動で行なうロボットの開発が進んでいる。

 東京大学情報システム工学研究室(JSK)出身で元Googleのロボットエンジニアが集まり、2019年に創業したロボット開発企業のスマイルロボティクス(東京・本郷、小倉崇社長)は、全自動下膳ロボットの試作機「ACUR-C(アキュラシー)」を発表し、無人で下膳を行うロボットの動画と詳細情報を公開した。

動画URL(https://youtu.be/MWmek5i-U98

 全自動下膳ロボット「ACUR-C」は、位置の特定と地図作成を同時に行うSLAM技術を搭載することで、マーカーがなくても店内のテーブルの位置を把握し自律移動する。
既存の配膳ロボットとは異なり、下膳用のロボットアームが付いており、約1m離れた場所までのトレーを回収する。また、ロボット内部には上下に可動する棚が設置され、2~3セットのトレーを一度に収容できる。

 80㎝の幅がある通路であれば利用でき、連続稼働時間は5時間。360度死角がないようにレーザーセンサが2つ、3Dカメラが4つ搭載されており、人や障害物を認識して停止または回避する。全方位に移動可能な台車なので移動の微調整にも対応する。

 上部に設置したタブレットで、お客さんや店員とコミュニケーションを取ったり、指示に対応したりする。また、外から中のものに触れられないシェル型構造のデザインにすることで、万が一衝突しても中のものが飛び散らないようにした。

 現在は、トレーにマーカーを付けることで認識するようになっているが、マーカーがなくてもトレーを回収することや、下膳のスピードをもっと速くするなどの改良に取り組んでいる。アームを取り換えればトレー以外の食器の下膳や配膳もできるようにするという。完成後には月額制のレンタルで提供することを考えている。

 同社は代表と技術顧問を含むエンジニア全員がGoogle(SCHAFT)出身かつ東大JSK出身で、ビジネス担当を含む社員全員が2足歩行ロボットの開発経験があるため、ソフトウェア&ハードウェアの全てを内製可能な体制を整えているという。

 小倉崇社党は「『省人化』と『無人化』は似ているようで、両者の間には技術的にも、飲食店の業務効率的にも、とても大きな差がある。今回こうして技術的な壁を乗り越え、世界で初めて下膳の無人化の一端を実現できたことで、今後、飲食店のホールスタッフのサービス向上と生産性向上へと繋がる」とコメントしている。