スマホの画面越しに、料理の写真を実物大でその場に表示できるARを使ったサービスが誕生した。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)技術を活用したサービスの開発を手掛けるワクザワ(東京・中野、黒澤恒大社長)は、飲食店のメニューをARで現実空間に表示できる「menuR」を7月21日に発売した。
「menuR(メニューアール)」(https://wakuzawa-inc.com/)はAR技術を活用して、QRコードで専用サイトに移り、メニューを選択すると、例えば机の上に、スマホの画面を通して実物大のメニューを表示できるサービス。立体的に前後左右、上からも見られるため、これまで平面的な写真ではわからなかったボリューム(サイズ感)や裏側などを明確にイメージできるようになる。
同社では、テイクアウトやデリバリーを利用して、今まで行ったことがない店舗で購入する機会が増える中、商品が届いたときに「思ったより小さい(大きい)」「ボリュームが少ない(多い)」といった違いを感じることが少なくないことから、ARを使って立体的に本物の大きさのまま現実空間に映し出すことを提案。さまざまな角度から近づけたり離れたりできるため、質感もリアルに再現でき、イメージと違う商品が届くことのガッカリ感を防ぎ、待ち時間をワクワクに変えるサービスとして提案する。
「東北うまいもの酒場 プエドバル」(東京・北千住)は、導入1店目として〈絶品ローストビーフ丼〉で「menuR」を導入した(https://puedobar-ar.jp/) 。ARを見るためには、iOS12以上のiPhoneまたはiPadOSのSafariが必要となる。アンドロイドにも対応させることはできるものの、仕様が異なるため応相談になるという。
作成するには、飲食店がARで表示したい料理を用意し、ワクザワのカメラマンが撮影する。全方向から約100枚の写真を撮り、専用のアプリケーションで合成・編集して3Dモデル化。作成したモデルをARとして展開するサイトを作成する。
利用料金は、アイテム数や仕様などにより異なるため相談しながら決めるという。また、掲載期間は1年ごとの更新がベースとなっているものの、期間限定や旬のメニューなどにも対応する。