サントリーホールディングスとアバター(オンライン上のキャラクター)を使った接客サービス〈AVACOM(アバコム)〉を開発・運営するAVITA(東京・五反田、石黒浩社長)が共同出資して設立したアバターダイニングラボ有限責任事業組合は、飲食店向けの「アバター接客サービス」を本格展開するための実証実験を始める。
人手不足が深刻化する中、両社は一部店舗で店内にあるタブレットやテレビを通して、画面上のアバターが接客するサービスの実験を進めてきた。同サービスは、遠隔地にいるオペレーターがカメラを通して店内の状況を把握しながら顧客と会話して接客するというもの。個別対応できるため常連づくりに役立つと共に、容姿や性別、年齢などに左右されず場所も選ばずにスタッフを雇用できるため、人材確保や人件費削減にもつながるサービスで、顧客にとっても店員を呼び止める気兼ねさがなくなり、おススメを紹介することで注文数や単価のアップも期待できるという。
導入イメージは1時間3000円~、初期費用5万円~、1台に付き月額利用料5万円~となっている。キャラクターや背景の画像などは自由に設定でき、事前にアバターのオペレーターに店のメニューや特徴などについて教育する必要がある。今回、同サービスを社会実装するための協業パートナーの募集を始めた。50席以上で都内の渋谷区や目黒区など7区に出店している50席以上の居酒屋で、5店舗を上限に募集。7月以降に営業を始めデータを収集するという。その後、問題点や課題を洗い出し、本格展開していく予定としている。