休業や営業時間短縮を求められている今、店舗オリジナルのワインを作ることで新たな売りを作るとともに、先払いでボトルキープしてもらうことで収入確保につなげようというプロジェクトが始動した。
定額制ワインバー「nomuno」を運営するノムノ(東京・赤坂、藏石周太社長)は、ICTソリューション事業などを手掛けるテックファームホールディングス(東京・新宿、永守秀章社長)とともに、飲食店がオリジナルワインを作り、そのボトルを前払いでキープすることで飲食店を応援できるプロジェクト「WINE KEEP(ワインキープ)」を始めた。
自粛要請で営業がままならない飲食店に、時間のある今こそ店の料理や雰囲気に合ったオリジナルワインを作って「afterコロナ」に向けての商品力を強化するとともに、そのワインを先払いでボトルキープできるようにすることで収入確保にも役立てようというもの。
オリジナルワインの作成では、キッコーマングループのマンズワインが、さまざまなキュヴェ(ワイン原酒)をブレンドして組み合わせることでオリジナルのワインを作れるサービス「WINE BLEND PALETTE」(https://wine-bp.jp)のワイン作成キット(税別3900円)を無料で提供する。ワイン作成というと難しく思われがちだが、チュートリアル動画を見ながら簡単に創作できるという。オリジナルワインを作った後は、1キットにつき規程の本数以上をマンズワインから仕入れる。飲食店側は、料理に合うワインテーマやラベルデザインを自由に設定でき、作ったオリジナルワインはプロジェクト終了後も提供・販売できるので、そのまま店の売りとして活用できる。
ボトルキープは、ノムノとテックファームホールディングスが運営する特設サイト(https://winekeep.nomuno.tokyo/)で受け付ける。飲食店は販売価格の10%(決済手数料など込み)を手数料としてノムノに支払うため、仕入れ値と10%を引いた額が収入となる。ボトルキープは緊急事態宣言の解除後から半年間有効(最長で2021年1月末まで)で、その間に購入者は店舗でワインを楽しむ。特設サイトでの公開は5月末までを予定している(状況により延長)。
ノムノの藏石周太社長は「ボトルキープした人が、どのような味だろうと次に店に行くのが楽しみになるようにと考えた。仕入れたすべてをボトルキープされなくても、そのままオリジナルワインとして店で提供し、新たな売りにもできる」と目的を話した。