POS/注文ピックアップ役立つシステム

オーダー端末が大きく変わる! TV電話で注文受け人間味と生産性両立!!【秀徳】

2020年3月19日 1:42 pm

 タッチパネルの無機質な感じと呼び鈴の無駄な動きを解消する画期的なオーダーシステムが現れた――福井県で焼肉店「焼肉 吟ちゃん」を運営する秀徳(福井・三方中西佑介社長)が開発した、テレビ電話を活用して店舗内の注文を受けるオーダーシステム「ORDER FACE(オーダーフェイス)」がそれだ。アナログとデジタルが融合し、小規模の飲食店でも違和感なく使えることが特徴だ。

 飲食店経営のコンサルティングなどを手掛けるケーススタディ(大阪・本町、荒井静雄社長)を総代理店として商品化し、3月25日から4月30日まで実証実験として、レストランバンク(兵庫・尼崎、林秀光社長)が経営する大阪・難波の居酒屋「おでんとお蕎麦居酒屋じんべえ」の2階席で導入する。

 従来のタブレット型端末とは異なり、呼び鈴を押すと自動で席に設置してあるテレビ電話が起動し、画面に映し出された店員にメニューを見ながら口頭で注文するというシンプルさが最大の特徴だ。さらに「タブレット端末アレルギーや、多層階店舗における店と客との距離感を解消できる」という。

 営業準備や閉店準備の作業中に、客席から注文が入るとその都度、手を止めて顧客のテーブルへ行って対応をしなければならず、少人数体制時のスタッフの負担は大きいが、「『ORDER FACE』があれば注文を厨房で受けられるので、業務効率が向上し、労働時間短縮に大きな力を発揮する」(秀徳)うえ、タブレット式やモバイル式のセルフオーダーシステムと違い、店員と顧客がFace to faceで注文のやり取りをするので、顧客コミュニケーションを阻害しない。そのため、「カルビとロース、ネギ抜きで」と言ったメニューにはない注文を受けたり、テーブルの様子を見える角度に設置しておけば、飲み物の減りを確認して追加オーダーを声掛けすることなどにも役立てられる。ほかにもシステム上のメニュー更新が不要で、レジとの連動やメニュー情報の登録料が発生しないので導入費用を安価に抑えられるといったメリットもある。

 主に、①慢性的な人手不足で、最小人数で営業せざるを得ない時間がある店舗や日によって繁閑の差が激しい店舗②個室がたくさんある店舗③2階席があるなど階層が分かれている店舗④厨房やドリンク場と客席の間に距離がある店舗⑤最少人数で生産性を上げたいが顧客との接点は減らしたくない店舗⑥強い接客力を持ったエーススタッフの力を存分に生かしたい店舗――などに向いているという。

 秀徳は、「近隣の飲食店にヒアリングしたところ、高齢のお客さんを中心に操作が面倒または難しいということで注文数が減ったり、店員とのコミュニケーション時間の低下による販売促進効果の減少などで、セルフオーダーシステムを導入して売上が下がった店があったことがきっかけとなり、生産性の向上と顧客コミュニケーションを同時に向上できるシステムを模索し、開発にこぎつけたという。

 費用は、諸経費を含めても、従来のタブレット型メニューの半分以下の価格になる見込みで、5月をめどに飲食店への導入を開始する予定。