理研ビタミンは、藤⼥⼦⼤学⼈間⽣活学部⾷物栄養学科の三⽥村理恵⼦教授との共同研究で、わかめを摂取することにより⾷後の⾎糖値や脂質の上昇が抑えられることをヒトへの試験で確認し、その結果を学術雑誌に公開した。
まず血糖値については、健康な成⼈男⼥26人を対象に、水戻しした乾燥カットわかめ4gを摂取後、⽶飯200gを⾷べて、⾷後の⾎糖値や⾎中のインスリン値を測定。わかめを摂取していない時の値と⽐較した。その結果、わかめを摂取した時の方が、摂取していない時よりも⾷後の⾎糖値やインスリンの上昇が抑えられた。
脂質については、健康な成⼈⼥性9人を対象に、水戻しした乾燥カットわかめ4gを摂取後、脂質が40.6g含まれる⾷事(負荷⾷)を摂取し、⾷後の⾎中の中性脂肪やレムナント様リポタンパク質(RLP)-コレステロール (※1)などを測定した。結果、わかめを摂取した時の方が、摂取していない時より、⾷後の中性脂肪やRLP-コレステロールの上昇が抑えられた。(※1 動脈硬化をひきおこす可能性が⾼いとされているタンパク質で、冠動脈疾患などの動脈硬化性疾患や、糖尿病、腎疾患などの動脈硬化性疾患を合併しやすい疾患で⾼値を⽰す)
⾷後の急激な⾎糖値や脂質の上昇は、動脈硬化を引き起こすことにつながるため上⼿にコントロールすることが⼤切であり、同社は、わかめの摂取により糖や脂質の代謝が整えられることに期待を寄せる。
海藻はヘルシーな⾷材として広く知られているもの、その健康効果を⽰すヒトへの試験報告は少なかった。理研ビタミンは、わかめの健康効果を明らかにする研究を重ねており、これまでに⾎圧やコレステロール、整腸作⽤に対する影響などを発表してきた。今後も、「天然物の有効利⽤についての研究を進め、⾷を通じて健康と豊かな⾷⽣活を提供していく」としている。