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記憶力upや認知症予防に!? 知られざる「カマンベール」のポテンシャル!【明治】

2019年12月19日 8:03 am


明治
https://www.meiji.co.jp/)は、「カマンベールチーズ(白カビ発酵チーズ)」を食べることでアルツハイマー型認知症の予防になる可能性を世界初のヒト介入試験で確認した。

 認知症と関連する脳の栄養分に、「BDNF(脳由来神経栄養因子)」というものがある。神経細胞の発生や成長、維持・再生を促進させる脳由来の神経栄養因子で、記憶中枢である脳の「海馬」に多く発現するほか、血液中にも存在している。
 このBDNF濃度が高いと、記憶力や学習能力などの認知機能評価スコアも高くなる。しかし、血中BDNFの濃度は65歳以上になると加齢にともなって低下し、認知症やうつでも大幅に低下してしまうなど、この両者の間には正の相関関係があることが判明している。

グラフ

BDNFは、男性および女性ともに加齢とともに減少していく。
出典:Shimada H, et al.: Front Aging Neurosci. Apr 15;6:69(2014)

 今回のヒト試験は、桜美林大学と地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター、明治の共同研究グループが、軽度認知障害と判断された70歳以上の高齢女性71人に対して行った。
対象者を2つのグループに分け、1つはカマンベールチーズ、もう一方はプロセスチーズ(対照チーズ)をそれぞれ1日2ピースずつ3カ月間食べてもらい、血中のBDNF濃度を測定。その後、チーズを食べない期間を3カ月設けたあと、チーズの種類を入れ替えて同じように実施し、再び血中BDNF濃度を測った。
すると、カマンベールチーズを食べたグループは、プロセスチーズ(対照チーズ)を食べたグループと比較して、血中BDNF濃度が高くなっていたという。


 これらの結果から、カマンベールチーズを食べたことでBDNFの上昇作用が示され、認知機能低下抑制、ひいては認知症予防の可能性が強く示唆された。これまでもカマンベールチーズ摂取による認知症予防効果を示唆する基礎的な研究成果は報告されていたが、それらは動物による研究で、ヒトにおける効果は検証されていなかったという。
 9月24日には、老年学・老年医学分野で評価の高い国際科学雑誌「Journal of the American Medical Directors Association (JAMDA)」にも掲載された(英文・https://www.jamda.com/article/S1525-8610(19)30518-3/fulltext)。

関連リンク:カマンベールと認知症/明治(https://www.meiji.co.jp/cheesehealthlife/