外食産業などサービス業の支援プラットフォームを手がけるClipLine(https://clipline.com/service/ 東京・田町、高橋勇人社長)は、双方向動画による人材教育システム「ClipLine(クリップライン)」について、リアルタイムの多言語対応といったサービス拡充に取り組む。
「ClipLine」は動画を使用したインタラクティブな人材教育システムで、2014年10月のサービス開始以来、「吉野家」や「ケンタッキーフライドチキン」、「丸亀製麺」といった幅広い外食チェーンで導入されており、国内8000店舗・15万人以上が利用中だ。同システムの利用方法は、
① 店長や管理スタッフが、店舗運営に必要な知識や技術を1分程度の短い手本動画(クリップ)として作成、配信
②新人スタッフに閲覧および自分の映像撮影と投稿を指示
③新人スタッフは手本を閲覧し、自分の練習映像を撮影。映像はレポートとして投稿する
④管理スタッフは、投稿されたレポートにコメントやレビューで指導する
という仕組み。
接客や調理方法だけでなく、企業・サービス理念、指示通達なども共有できる。
「よくあるeラーニングと同じじゃないの?」と思われるかもしれないが、単なる知識習得のための動画マニュアルではなく、動画を介した双方向のコミュニケーションによって技術習得を支援するシステムが、従来のeラーニングとは異なる点だという。
高橋勇人社長は、「恒常的な人手不足により、現場の省人化やAI(人工知能)化が進められているが、サービス業の業務は特別な接客やクレーム処理など、発生頻度は低いもののAI・ロボット化が難しいものが多い」と指摘。
その上で、「人材不足時代に対面OJT(On the Job Training)で全てカバーするのは難しい。外国人をはじめとした多様な人材が理解しやすく、指導者の負荷も下げる教育環境が必要だ」と語る。
「ClipLine」の活用によって、新人スタッフの早期戦力化や、店舗スタッフごとの接客方法や提供商品に関する品質のバラツキが抑えられ、本部からの通達が伝言ゲームにならず、スタッフ一人ひとりに正確に伝えられる。
また、店舗管理業務の報告を動画で共有してもらうことにより、本部や外出先からでも指導ができ、臨店の効率化・交通費などのコスト低減だけでなく、全店舗のQSC維持・向上が容易になるというメリットがあるという。
また、Google翻訳機能と同社独自の動画解析を組み合わせ、動画をアップした際にリアルタイムで文字起こし・翻訳を行い、投稿とほぼ同時に字幕の切り替え表示が可能になるようにもする。
まずは英語版の提供を予定しており、以降は中国語や韓国語、ベトナム語など順次リリースして多言語対応する予定だ。そのほか、双方向性を強化していく。
「ClipLine」の基本導入費用は1店舗あたり毎月税別1万円。動画の撮影や編集といったオプション(別料金)もある。