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生成AIが飲食店探しのパートナーに! 日常会話から要望に沿った店提案する検索アプリのβ版リリース【ぐるなび】

2025年1月21日 11:06 am

 飲食店検索サービスを利用する際は、「銀座 焼肉」などエリアやジャンルを入力して検索した後、評価や予算、口コミなどでさらに絞り込むといった使い方が多く、行きたい店を探すためにいくつもの工程を経るため時間がかかり、誤字脱字があるとヒットせず、どのように検索すればいいかわからなかったり、リストアップされる店舗が多すぎたり少なすぎたりといった課題がある。

 そのような課題を解決するツールとしてぐるなびは1月20日、生成AIがあいまいな日常会話のような音声やテキスト、画像から店舗を検索・予約できるアプリ〈UMAME!(うまみー!)〉のβ版をリリースした。

〈UMAME!〉のトップ画面(左)と検索結果画面

 同社にとって飲食店検索サービスのリリースは〈ぐるなび(現・楽天ぐるなび)〉以来初となる。〈UMAME!〉は「『うまい』を『私に』」という思いを込めたネーミングで、アイコンは「未知との遭遇」をイメージして作られたという。

 従来のエリアやジャンルといった条件を単語で区切って入力し絞り込んで探すのとは異なり、同アプリでは「今から1人でサクッと飲める居酒屋」や「友達に紹介したらかっこいいと思われるビストロに行きたい」といった日常会話に近い音声やテキスト、食べたい料理や店の雰囲気の伝わる画像ファイルなどを入力すると、AIが〈楽天ぐるなび〉に掲載されている約42万軒から要望に沿った飲食店を提案する。

 希望に合う店が見つかった場合は〈楽天ぐるなび〉経由で予約もできるため、飲食店は〈楽天ぐるなび〉のプランに応じた予約手数料を支払う。また、AIがあらかじめ条件に沿った店舗を抽出する「AIアシスタント」機能も搭載しており、まずは「二次会」と「旅行先の地元グルメ」を検索できるようにした。

〈UMAME!〉について説明する杉原章郎社長

 ぐるなびの杉原章郎社長は、「生成AIと相談しながら飲食店を探したり、予約したり、何を食べるか考えたりできる革新的なサービス。近い将来、アプリから脱しデバイスに依存しないアプリに進化していく。基本は無料で利用できるが、有料でも使いたいと思われるよう差別化し収益化できるサービスにしていきたい」と語った。

Chief Technology Officerの岩本俊明氏

 開発に携わったChief Technology Officerの岩本俊明氏は「自分が食通になった気分になれ、今まで知らなかった店との出会いも創出でき、飲食店にとっても新規のお客さんを獲得できる。大規模言語モデル(LLM)にはグーグルの〈Gemini〉を採用した。ある程度の誤字脱字も理解でき、提案する店舗にはマッチング度と選んだ理由も表記される。また、説明文は大阪の店舗であれば関西弁という風に方言を取り入れ、現地の友だちから聞いたような感覚を味わえるようにした。ほぼ自社のみで開発したのでスピーディーにアップデートできる。まずはβ版で多くのデータや反応を集め進化させていく。当面はiOS版のみとなるが、食体験を記録して思い出せるようにするといった新機能を追加する際などにandroid版もリリースする予定」と説明した。

 現在は〈楽天ぐるなび〉と紐づけたサービスとなっているが、将来的には〈楽天ぐるなび〉に掲載されていない飲食店やベーカリー、テイクアウト専門店などにも範囲を広げていくことを考えており、他社のサービスとも連携しやすい設計のため、国内外の飲食店や食関連サービスとつないで世界中で利用できるサービスにすることも構想しているという。言語は日本語のみだが、今後外国語にも対応していく。

 ぐるなびは、生成AIを活用した「次世代の食体験実現」や「社内業務の効率化」に取り組む「ぐるなびNextプロジェクト」を進めており、〈UMAME!〉はその第1弾サービスとなる。今後も同社が保有する膨大なデータと今回の知見などを活かし、「当社にとって最も重要な『飲食店を中心とする食関連事業者への業務支援サービス』の提供にも注力していく」(杉原社長)という。