
居酒屋をはじめとした多くの飲食店でから揚げやフライ、天ぷらといった揚げものメニューは人気だ。一方で、大量の油消費や廃油処理に伴うコスト負担、劣化した油による味への悪影響、油ハネによる安全性や清潔性の低下など、導入には多くの課題がある。
卓上型の水冷式フライヤー〈クールフライヤー〉の開発・販売を手掛けるクールフライヤー(神奈川・南万騎が原、山田澄人社長)は11月、油量18リットルの水冷式業務用フライヤー〈CFT-18x〉(上記写真/幅550×奥行き600×高さ130mm・重量88kg・電源三相200V)を一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で販売開始し、2025年初頭より全国展開する。
同社は、油の劣化や油ハネなど揚げ調理におけるさまざまな課題の主要因が「揚げカスや不純物の炭化」と、「水分が油槽内で加熱され、気化すること」であると分析。
これらの要因を、独自の冷却構造とヒーター構成およびその制御により、水分・揚げカスなどの不純物を素早く油槽底部に沈殿させることで、微細な揚げカスなどの炭化や水分の気化を防いで解決したのが〈クールフライヤー〉だ。
調理内容にもよるが、〈クールフライヤー〉を使用することで、一般のフライヤーに比べて40%以上、揚げ鍋比で60%以上油の消費量を減らせるという。
〈CFT-18x〉は、大量調理中に発生する揚げカスを自動で回収する機能(特許出願中)を備えた。調理中の揚げカス回収の手間を低減するだけでなく、運用終了後の濾過機を使った濾過作業も不要となり、フライヤー運用の煩雑さ・火傷リスクを大幅低減する。
また、油の自動ポンプアップ機能・油面微調整機能・油自動排出機能も装備。高温の油を取り扱う作業を軽減した。なお、本体を冷却するための給水が必要のため、常時水道との接続が必須となる。
調理温度は1℃刻みで設定可能で、油温を20℃から170℃にするには約15分程度かかる。また冷却用に、1時間あたり8.7リットル程度の水を吸水する必要がある。
排水時には約60℃のお湯になり、油には一切触れていないのでそのまま排水したり、また洗い桶に溜めて清掃用に再利用するといった工夫も可能だ。
これらの機能により、清掃や油の処理にかかる業務や廃油処理量の削減と合わせ、大幅なコスト削減・Co2排出量削減を実現。また、高温で長時間運転しても油の劣化が進みにくいため、テイクアウトやデリバリー業態にも適しているという。
また油ハネ、油煙、オイルミストの発生を抑え、本体からの輻射熱も極少なので厨房環境を快適に保ち、スタッフの労働環境も改善できる。
同社では、21年に油量7リットルの卓上小型機〈クールフライヤー〉をリリース。導入店からは好評を得ていたが、調理量の多い飲食店・スーパーなどから「もっと大きなサイズが欲しい」という要望が寄せられていたという。
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