地球規模の急激な気候変動により、世界ではさまざまな農作物が記録的不作になっている。日本人になじみの深い米も例外ではなく、今年の夏は多くのスーパーの店頭から米袋が消えた。
今は新米が出回り始めたことでコメ不足も解消しつつあるものの、長らく続いた減反政策やコメ農家の離農による減産、気象異常による影響は来年も続きそうだ。
そんな中、業務用食材の業者間ネット販売サイトを運営するMマート(東京・西新宿、村橋孝嶺社長)は10月1日、「新米オークション」(https://www.m-mart.co.jp/outlet/auction/newrice/)のサービスを開始した。
「新米オークション」は、生産農家が1ロット60kgから出品した新米をオークション形式で落札できる仕組みだ。Мマートの買い手登録を行えば参加でき、取引が成立した際の手数料も不要で、現金取引のみとなる。
なお、「新米オークション」は新米の出回る9月から12月までとなり、1月から8月までは「お米オークション」として引き続き継続していくという。
同社は、「コメの卸売価格が大きく上昇し、多くの飲食店や弁当店などの経営を圧迫している。コメの流通量の半分は地域のJA(農協)を経由し、JAや大手卸売業者が決める価格がコメ価格の基準となってきた」と指摘。
「コメ不足の今年は、大手外食企業や大手小売店がJAを上回る価格でコメを調達しており、新米の流通が本格化してもコメ価格の高騰が年内いっぱい続くといわれている。中小規模の飲食店にとっては一刻を争う問題であると考え、業務用の新米に特化したオークションページをリリースした」と説明する。