ピックアップ加工品(魚介)

身の隅々まで柑橘果汁が行き渡った真鯛と出会った!この魚は一体なに?【ハマスイ×南宇和高校】

2022年10月13日 10:42 am

 ある展示会の一角で、女子高生達が元気に呼び込みをしていた。彼女たちが勧める〈愛南ゴールド真鯛〉を試食すると、柑橘の爽やかな香りと真鯛の旨みが口いっぱいに広がる。これは一体──?

 愛知・南宇和郡愛南町にある南宇和高校の生徒が、愛情込めて育てたというほどよい甘さと酸味が特徴の柑橘〈愛南ゴールド(河内晩柑)〉がブース内に置いてあったので、なるほど、これを餌にして育てた真鯛なのか! と思いきや、「違うんです」とのこと。

南宇和高校の生徒さん達(掲載許可済)

 魚介卸売業などを手がけるハマスイ(愛知・南宇和郡愛南町、濵田嘉之社長)の特許技術「超脱血」を使い、真鯛の血液と〈愛南ゴールド〉の果汁を置換したコラボ商品〈愛南ゴールド真鯛〉だったのだ! 宅配すし「銀のさら」でも期間限定で登場したという。

 養殖場から水揚げした真鯛を30分以内にハマスイの加工場へ運び、特許技術で丁寧に血抜きをしてから〈愛南ゴールド〉の果汁を魚体の隅々に行き渡らせることで、臭みの少ない、柑橘のスッキリとした風味に仕上がった。

 真鯛を養殖する愛南漁業協同組合では、真鯛や魚加工品においてユダヤ教の食事規定・コーシャ認証を取得しており、水産資源の持続可能性に配慮した漁業に取り組んでいる。また〈愛南ゴールド〉は、日本の教育機関で初めて柑橘類として、世界基準の農業認証である「GLOBAL G.A.P.(グローバルギャップ)認証」を取得した。

 G.A.P.はGOOD(適正な)、AGRICULTURAL(農業の)、PRACTICES(実践)の頭文字から取り、GLOBALG.A.P.認証とはそれを証明する国際基準の仕組みを指す。食品安全、労働環境、環境保全に配慮した「持続的な生産活動」を実践する優良企業・団体に与えられる世界共通ブランドだ。
 最近では日本の小売業でも、GLOBAL G.A.P.認証を取得した生産者からの仕入れを優先しているという。なお〈愛南ゴールド〉は去年の東京五輪の選手村でも提供されたのだとか。

 〈愛南ゴールド真鯛〉〈愛南ゴールド〉ともに、おいしいだけでなくSDGsの面でも要注目の商品だ。