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1~9月の飲食店倒産件数が650件と過去最多の見通し【帝国データバンク調べ】

2024年10月8日 12:58 pm

 帝国データバンク(TDB)は10月8日、飲食店の倒産発生状況について最新2024年1~9月版を発表した。
 同期間の倒産件数は650件となり、前年同期比で16.5%増加。このペースで推移すると、通年の件数は過去最多の20年(780件)を上回って870件前後となる見通し
だという。

 業態別にみると、居酒屋を主体とする「酒場、ビヤホール」が160件で最も多く、ラーメン店などの「中華料理店、その他の東洋料理店」(117件)、「西洋料理店」(90件)、「バー、キャバレー、ナイトクラブ」(70件)、「日本料理店」(53件)が続いた。

 深夜時間帯での営業店舗が多い「酒場、ビヤホール」と「バー、キャバレー、ナイトクラブ」を合わせると230件となり、全体の35.4%を占めた。
 また都道府県別では、東京や大阪、兵庫、愛知など大都市圏で増加が目立っており、特に東京と大阪で全体の29.8%を占めた。

 負債額最大は、ビヤレストランやビヤホールを展開していた、アサヒグループホールディングスの元子会社であるアサヒフードクリエイト(東京・吾妻橋、7月12日特別清算)で約89億9726万円。650件のうち、10億円以上の倒産は5件にとどまった一方、1億円未満の小規模倒産は562件を占めた。

 TDBは「小規模事業者が多い飲食店業界は、引き続き食材・光熱費の高騰や人材確保・維持のための賃上げなどで収益が圧迫されている。さらに、価格転嫁率(24年7月調査)は36.0%と、全業種(44.9%)を大きく下回っている。アフターコロナで競争も激化するなか、値上げに踏み切るか否か、中小クラスを中心に倒産や廃業の増加は避けられないとみられる」とした。