レストランで食べたパスタ料理が生パスタだと、おいしい上に特別感があって嬉しくなるのは記者だけではないはずだ。生パスタは独特のもちもち食感が特徴で高級感もある。茹で時間も短いため、オペレーションが省力化できるのも嬉しい。
大手ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」をはじめとした全国の飲食店約3500店に生パスタを卸す老舗製麺会社が、取引先店からの要望をもとに、2年ぶりの新作を発売する。
淡路麺業(兵庫・淡路、出雲文人社長)は6月17日、〈A リングイネ4.5〉120g×25玉/50玉をリリースする。〈A リングイネ4.5〉の「4.5」は幅4.5mmを示す。
もともと〈I リングイネ〉という幅3.0mmの楕円形の生パスタを主力商品として販売する中で、取引先の店舗から「ペスカトーレに入れるイカやタコなど、弾力や噛み応えのある具材を使用したソースに合う生パスタが欲しい」という声が多く寄せられた。
そこで何度も試作を繰り返し、顧客の意見も取り入れながら小麦粉の配合や麺の幅、太さを決めたという。ボイルを5分したのちフライパンでソースと絡ませ30秒加熱し、5回混ぜるのがベストだという。賞味期限は冷蔵10日(冷凍30日)。
■淡路麺業って?
同社は明治42(1909)年創業で今年116年目になる老舗だ。当初はうどんの製麺会社として立ち上がったが、「おいしい外食のうどんやそば、ラーメンはどこも生麺が主流なのに、なぜパスタは乾燥めんが主流なのか?生麺ならさらにおいしいのではないか」という思いから、2007年、当時ほとんど流通していなかった業務用生麺パスタの製造販売を開始した。
現在は1日約3~5万食を製造し、「ロイヤルホスト」を含む全国約3500店舗に生パスタを卸す。13年度には日本で初となる「国産デュラム小麦」の栽培を淡路島で成功させ、100%淡路産デュラム小麦を使用した生パスタを販売した。
そのほか、顧客繁盛支援業として生パスタ調理講習や販促・PR提案、食材紹介などのサービスも手がけるなど、積極的な取引先支援を行い単なる製麺だけの会社に収まらない活動をしている。また、一般向けにもオンラインショップで生パスタやソースなどを販売する。
さらには約30種のパスタから好きな麺を選べる直営の生パスタ専門店「PASTA FRESCA DAN-MEN(パスタフレスカ ダンメン)」(DAN=淡、MEN=麺)を運営。年間5万人が来店し、年商1億円を超えるという。