環境保全を目的に、大手外食チェーンを中心にプラスチック製ストローの廃止が相次ぎ、代わりに紙製や藁製、竹製など自然素材を使用したストローが増えつつある。
サステナブル事業やシステム販売事業を行うUPay（福岡・赤坂、上官ゆい社長）はこのほど、くず米を活用した〈米ストロー〉の製造・販売を開始した。
〈米ストロー〉は、精米する時などにどうしても出る、一般市場では販売されないくず米や破砕米を主な原料としている。７割をくず米、残りの３割をコーンスターチとし、100％天然由来成分のプラスチックを一切使用しないストローだ。
およそ100日をかけて土壌や海中で完全分解されるため、コンポストや植物の肥料などとして処理できるのが特徴。耐久性はおよそ２～３時間で、唇にも張り付かず、プラスチック製に近い無味無臭の使い心地も評価されているという。
市販の場合、20本480円と既製品に比べると割高だが、業務用の卸価格は要相談。耐久性の高さや使用感の良さから、現在は福岡を中心に80店舗を超える飲食店で採用されているという。また１本につき３円追加で刻印も可能なため、店名を入れることもできる。
オプションで刻印を入れることも可能
昨今の国内米消費量の低下により、中小規模の農家では、くず米を家畜の餌とすることも少なくない。同社はそれを買い取ることでコメ農家を支援し、〈米ストロー〉へのアップサイクルでサステナブルな社会の実現を目指す。
また現在、自社開発のコメ製カトラリーも年内の発売を予定しており、２年以内の新工場設立に向け調整を始めているという。
