ピックアップ加工品(魚介)

県主導で4年かけ開発した塩分控えめの「霞ヶ浦キャビア」発売【茨城県】

2023年4月6日 2:01 pm

 茨城県は、約4年前から霞ケ浦流域で育てたチョウザメの卵で作るキャビアをブランド化する計画を進めてきた中で、第1弾のキャビアが完成し、4月から100個限定での販売を始めた

霞ヶ浦キャビア

 キャビアは宮崎県をはじめ他の地域でも製造されていることから、差別化を図るため、東京の高級フランス料理店「Chez Inno(シェ・イノ)」の古賀純二総料理長に監修を依頼。フレッシュさと旨みを両立させる最適な熟成期間と塩分を見極めるために試食を重ねた結果、通常は約4%の塩分を2.5%に抑え、キャビア本来の味を楽しめるレシピを開発した。

チョウザメの養殖場

 そこで県は、霞ヶ浦流域の22市町村で育成されたチョウザメの卵のみを使い、このレシピで作ったキャビアを「霞ヶ浦キャビア」と認定して販売することとした。現在は県内の2社で製造・販売しており、20g・1万1000円で両社合わせて限定100個を販売。産卵期である11月からは販売量を増やしていく予定で、ブランドの認知度が向上することで、業務用での問い合わせが増えることも期待する。

古賀シェフによる「霞ヶ浦キャビア」を使ったアミューズ

 「Chez Inno」で開催されたお披露目会で茨城県の大井川和彦知事は「茨城県の水産事業は、高齢化や環境問題などにより厳しい状況に陥っており、県では養殖事業を推進している。その一環として、チョウザメの種苗会社が県内にあったことからキャビアに着目した。約4年前に養殖のコストダウンと生産性向上を図るため、水産試験場に研究施設を設置。7~8年かかる排卵までの期間を短くすることと、3~4才になってから傷をつけて雌雄を分別する現在の方法を、傷を付けずに0才の時に判別できるようにする研究を進めている。雌雄の早期判別については目処が立ってきた」と語った。

茨城県・大井川和彦知事(左)と「Chez Inno」・古賀純二総料理長

 今後、県内でキャビアの製造会社を募るとともに、約200㎏の生産量を数年で倍増させ、日本一の産地にすることを目指す。