イーソーコグループで倉庫・物流業を手掛ける東運ウェアハウス(東京・芝浦、遠藤文社長)は、東京・芝浦の本社倉庫内に約314㎡(95坪)の冷蔵装置を備える24時間対応の「アーバンロジスティクスセンター」を新設し、酒蔵・ワイナリーなどのサプライヤーから商品を預かるとともに、都心の銀座、六本木をはじめとする近隣の飲食店に原則50分以内で配送する新事業を始めた。
「アーバンロジスティクスセンター」は、日本酒の1升瓶6本入りを1ケースとして約25ケース保管できるパレットを約200パレット保管可能で、3℃~5℃の低温で日本酒、クラフトビール、チーズ、野菜などを保管する計画。
飲食店は、サプライヤーからの買い付け拠点として利用できるほか、羽田空港から航空便で出荷するといった活用も想定できるという。また、同社で試飲会や産地ごとのフェアの検討を行い、特色のある保管と小回りの利く物流を推進するとしている。
最近では、バレンタインデー用のチョコレート商品を保管するといった事例があったという。
今回の新事業は、「アーバンロジスティクスセンター」の半径5㎞圏内に多くの飲食店が軒を連ねる港区、中央区、千代田区、渋谷区、品川区があり、コロナ禍で資金繰りが厳しくなった飲食店に在庫を減らして適正化することを提案することで、都市型倉庫・物流業のモデルケースとする狙いで始めたもの。
利用料金は1ケースあたり1日12円、約18ケースが入るカゴ台車1台あたり月額1万円。設備投資に、国の事業再構築補助金を活用し、3年後には1億円の売上を見込む。
飲食店は食材のバックヤードにしたり、サプライヤーからの買い付けの拠点にしたり、通販の冷蔵品を近隣の羽田空港から出荷する前の保管倉庫にしたり──といった活用方法が想定できる。センターは24時間営業しており、食材を取りに行く際は要事前連絡となる。
また飲食店側が事前にケースにナンバリングをしておけば、港区、中央区、千代田区、渋谷区、品川区といった近隣への飲食店へ原則50分以内に配送も行う。配送料は距離や時間、物量により異なる。