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これって、接客するコールセンター? 人手不足に対応した遠隔接客サービスが登場!【タイムリープ×Cookify】

2022年11月30日 8:58 am

 店頭に置かれたモニター越しに遠隔地から接客できるシステム〈RURA〉を提供するタイムリープ(東京・小伝馬町、望月亮輔社長)は、飲食店への〈RURA〉の販売を本格化するため、飲食店の運営やDX推進のコンサルティングを手掛けるCookify(東京・四谷、山島貴史社長)と業務提携し、11月30日オープンのパートナーズダイニングによる新店舗「KIBORI(キボリ)」に導入される。

 〈RURA〉は、コールセンターサービスのように遠隔地にいるスタッフが、声だけでなくディスプレイ越しに顔を見せて接客できるサービスとして2020年6月に発売され、ホテルやネットカフェ、不動産会社などで導入されている。今回Cookifyと業務提携したことで、初めて飲食店に導入された。

 店舗に設置されたディスプレイに遠隔地にいるスタッフが顔を出して応対することでタッチパネルの無機質感がなくなり、細かい要望にも応えられる。また、少人数で多店舗に対応したり、他の仕事をしながら来客があった時のみ対応するなど業務の効率化を図れ、接客スタッフを全国から採用できるため人手不足対策にもつながるという。

 お客さんが来店した際には、タッチパネルをタップして呼び出すほかにも、画面の前に人が来たら自動で起動してスタッフ側から話しかけたり、呼び鈴型の呼び出し機を設置することでアナログ感を演出したりもできる。呼び出しや来客があると、接客スタッフのパソコン上に音と光で知らせる。また、スタッフが離席する際には「休憩中」などの表示もできる。

 ディスプレイには、スタッフの顔以外にもアバターやキャラクターを表示させることも可能だが、タイムリープによるとアバターと会話することを恥ずかしがる人もいるため、顔出しでの導入事例が多いという。「KIBORI」では2フロアに各1台ずつ設置し、北海道にいるスタッフが予約の確認や各フロアのコンセプトを案内することで、より北海道の雰囲気を伝えられるようにした。

《KIBORI》での使用例のサンプル

 店頭に設置する以外にも店内でQRコードを同時に表示して注文を受けたり、セルフ決済機器や釣銭機と連携させることで決済時の接客に活用するなど使い方もさまざまだ。ディスプレイも縦型画面やタブレットから立体映像まで色々なデバイスに対応しており、待機中には画像や動画を流すことで店の雰囲気作りに役立たせられる。

 導入する際は、店側とどういう風に使いたいかや設置場所などについて話し合い最適な仕様を提案。接客スタッフ向けの研修やマニュアルなども提供する。ディスプレイなどの専用機器はタイムリープが提供するので、店側はネットワーク環境とパソコンを用意するだけで済む。実際の運用についてもブラウザ「chrome」から専用サイトにアクセスして通話する形なので、専用アプリやシステムの導入も不要だ。導入するには初期費用とディスプレイ1台ごとに月額利用料がかかるが、価格については導入する状況により異なるため応相談となる。

 今回業務提携したCookifyの山島貴史社長は、ブルースターバーガージャパンの取締役としてゼロから「ブルースターバーガー」の開発に携わった経歴を持ち、「『ブルースターバーガー』では、完全セルフの仕組みを作り多くのお客様にご利用いただく中で、注文方法などに困っているお客様に対するサポートの仕組みが欠けていた。そのためスタッフが控える状態となり、店舗運営の効率化という目的に対して歪な形となってしまった」との課題を実感したという。

 そこから、「外食産業のDX化で大切なことは、ただスタッフをシステムに置き換えるのではなく、システムという手段でスタッフでしか出来ないことを効率的に実現させ、どのようにお客様へ良い体験として還元するかという事を、当時の経験から学びました。お客様に不便を生まず、付加価値を付けられるような形で飲食店のDXを進めていく方法を検討していたところ、〈RURA〉に出会い、お客様を置き去りにしないDXを実現して、飲食店の新しいカタチを提供していきたいと考えています」とコメントした。