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グルメサイト経由の予約はコロナ前より10%減【TableCheck調べ】

2022年6月17日 3:00 pm

 予約・顧客管理システムの開発・運営などを手掛けるTableCheck(東京・銀座、谷口優社長)が、コロナ前後の飲食店の予約チャネルの変容を分析したところ、「グルメサイト経由」は「GoToEat」キャンペーンにより一時的にコロナ前を超えたものの、その後はコロナ前を下回ったまま横ばいで推移していることが分かった。

 同社は予約・顧客管理システム〈テーブルチェック〉を利用する全国の飲食店約6200店舗の予約データから、2019年1月1日から22年6月15日までの予約チャネルごとの飲食店予約動向データを集計し分析した。

 コロナ前の2019年の予約動向を見ると、グルメサイト全体(5社)の割合は55%前後で推移し、繁忙期では60%前後にまで上昇していた。一方、コロナ下での「グルメサイト経由」は、外食需要喚起のために実施された「GoToEat」キャンペーン期間中は70%弱にまで高まったものの、その影響は21年春ごろから落ち着きはじめ、その後は横ばい状態が続き平均40~45%で推移。コロナ前と比べると約10%下落していることが分かった。

 一方、予約比率が増加しているのが、公式ウェブ予約とGoogle、Instagramだ。公式ウェブ予約の比率はコロナ前は40%強で推移していたが、直近ではその比率を50%前後まで上昇させている。Google、Instagramも、コロナ禍で飲食店予約機能を充実させて以降、いずれも予約数を急速に伸ばしている。ただし、全体的な割合としては両社合わせて5%ほどとまだ低い割合となっているものの、同社では「今後さらに急増していく」と予想する。


 谷口優社長は今回の結果について、「飲食業界での広告モデルのビジネスが、飲食店、ユーザー双方に対して十分なメリットを提供できなくなっていると感じる。グルメサイトに掲載されているレビューや評点についても以前から疑問視されており、コロナ禍でグルメサイトに代わるプラットフォーマーの予約サービスが台頭してきた。無料かつパーソナライズされた情報を提供するGoogleマップやSNSの方へと飲食店、ユーザーがシフトしていく流れは止められないだろう」との見方を示した。