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6割が「座席での端末注文」や「自分のスマホで注文」採用店に「良い印象」【HPグルメ外食総研調べ】

2022年1月27日 9:16 am

 リクルートの外食市場に関する調査・研究機関であるホットペッパーグルメ外食総研は、外食店における人手不足やコロナ禍での消費者の非接触ニーズの高まりを背景に注目されている、テーブルトップオーダー(座席に設置された専用端末を操作しての注文)セルフオーダー(QRコードやアプリを活用して消費者自身のスマートフォンでの注文)について、2021年12月1日~8日、首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女9627人に調査した。

 居酒屋チェーンなどでは比較的以前から導入が進んでいたテーブルトップオーダー(座席に設置された専用端末を操作しての注文)については、73.4%が「利用したことがある」という結果。うち15.8%はコロナ禍以降に利用したと回答し、コロナ禍でのニーズの高まりを感じさせられるデータとなっている。

 性年代別では、20代女性(81.8%)と30代女性(80.6%)で8割を超える高い経験率となっている一方で、60代女性(64.6%)では他の性年代に比べて経験率が低い。

 次に、最近普及してきたセルフオーダー(QRコードやアプリを活用して消費者自身のスマートフォンでの注文)の利用経験を聞いた。導入され始めてからの歴史が浅い分、テーブルトップオーダーに比べると利用経験率は低いものの、すでに26.0%が「利用したことがある」と回答。

 性年代別では、若年層ほど利用経験率が高い傾向にあり、20代女性(47.1%)、20代男性(41.7%)で4割を超える。一方で60代女性(10.6%)では最も利用経験率が低かった。

 今後のテーブルトップオーダーの利用意向については、「利用したい・計」が70.1%と「利用したくない・計」の8.9%を大幅に上回った。

 性年代別では、20代女性(83.4%)や30代女性(82.9%)で利用意向が高く、一方で60代男性・60代女性(ともに12.9%)で、利用したくない意向が他の性年代よりも高いという結果だった。

  今後のセルフオーダーの利用意向についても聞いた。こちらも「利用したい・計」が42.7%で「利用したくない・計」の23.1%を上回った。

 性年代別では、20代女性で「利用したい・計」が66.5%と最も高く、一方で60代女性で「利用したい・計」が24.2%と最も低くなっている。前述のこれまでの利用経験と同様に、若年層ほど今後の利用意向も高い傾向にあるが、男性よりも女性でよりはっきりと世代間の差がある傾向が見られる。

 今後、外食店でテーブルトップオーダーやセルフオーダーを利用したい理由を聞いた。「自分の都合の良いタイミングでオーダーできるから」が63.7%で最も割合が高く、2番目に「店員を都度呼ぶことに気が引けるときがあるから」で42.6%、3番目に「待ち時間によるストレスが減るから」で39.2%、4番目に僅差で「接触機会が減り、より安心してお店を利用できるから」が38.8%と続いた。

 全体的に男性よりも女性でテーブルトップオーダーやセルフオーダーのメリットを感じている人が多く、特に30代女性では利用したい理由を複数選択する傾向が見られた。 

テーブルトップオーダーやセルフオーダーに取り組んでいる外食店の印象については、「良い印象である・計」が61.4%で、「悪い印象である・計」は3.1%で極少であった。性年代別では、20代女性(77.2%)と30代女性(73.3%)で7割以上が「良い印象である」と回答している。

 同社は、「テーブルトップオーダーやセルフオーダーについては、若年層で利用経験・今後の利用意向ともに割合が高い傾向にあるが、高齢層でもメリットを感じている人は一定数いるため、デバイスの普及や機器の操作に慣れる人が増えてゆくにつれて、高齢層にも徐々に浸透してく可能性があると考えられる」と推測する。