【参加型連載】サービスのチカラ

【第33回のテーマ】●言葉遣い編● 接客あるある「失礼いたします」

2022年3月25日 11:00 am

 「空いてますか?」とお客様がご来店されたが、空席が見えるのにスタッフからは「いっぱいです」としか言われなかった

問題
 「ご案内できないとき」と「ご案内できるとき」の2パターンの声かけの仕方を考えよう


■解答
 ご案内できない例「申し訳ございません。ご予約のお席以外は満席で、1時間以上お待ちいただきますが、いかがいたしますか?」
 ご案内できる例「今片付けてご案内できますので、お待ちください」
※「いらっしゃいませ」は省略


■解説
 もしかすると、このスタッフは入社したばかりの新人スタッフかもしれないですし、忙しくて頭がいっぱいになっているスタッフかもしれません。もしくは、疲れ果てて相手への配慮が欠けているスタッフかもしれませんし、日々惰性で働いているスタッフかもしれないです。

 スタッフにどんな理由があったとしても、お題のような、理由もなくただ「いっぱいです」とお伝えするのは、お客様にとって次のご来店のチャンスすらなくしてしまう対応であり、残念な印象でしかないです。

 ご案内できなかったとしても、次につながるような声かけを。ご案内できるとしたら、すぐにご案内できるのか否か。少しでも丁寧にお客様に状況を伝えてあげられたら、納得感があるというものです。

 お店によって、さまざまなシチュエーションがあると思いますが、それぞれの解説を参考に考え実行するキッカケになればと思います。
 「第7回 運んでいるときに呼び止められたら」のお題で、料理を運んでいる最中に、別のテーブルのお客様から「すみません!」と呼び止められたときの対応例で「大変申し訳ございません。今、料理を運び終えてからすぐに戻ってきますので、お待ちください」とありました。

 そこでフレーズの方程式「謝罪+迅速に(今・すぐに)+理由(運び終えて……)+戻ってくる+お待ちください」で考えてみようと解説しましたが、今回も基本は一緒です。

・ご案内できないとき「謝罪+理由・状況+時間+いかがいたしますか?(感謝+またお待ちしております)」
 ご案内できないことへの謝罪をし、なぜご案内できないのか? の理由や状況を伝え、それでもご案内できるとしたら時間を知らせ、伺ってみる。ご案内「できません」と言い切らないことがベースで、どうしても無理な場合は、ご来店に感謝と次回への声かけを。

・ご案内できるとき「理由・状況+お待ちください」
 すぐにはご案内できないが、少しの時間でご案内できる理由・状況と、お待ちいただくことをお伝えする。すぐなのか5分かかるのか10分かかるのかも必要な場合は伝えたいが、それよりも理由・状況を知ってもらえると、お客様もイメージがつきやすい。

 今のご時世では、少数精鋭で営業していることもあります。「本日は少人数のスタッフで営業しているため、片付けが追い付いていなくて、すぐにご案内できず申し訳ございません。5分でお席を作りますのでお待ちください」と、謝罪を含めて正直にお伝えすることも大切です。その上でお客様に待つかどうかの判断をしてもらえばいいのです。

 お待ちいただけるのなら「ありがとうございます!」と感謝は必須ですし、ご案内できるタイミングでは「お待たせいたしました」は当然として「お待ちいただきありがとうございます」に変えると、待った時間を短く感じてもらえるでしょう。

 また、どんなときでも、笑顔や明るい声、アイコンタクトを忘れてはいけません。表情が硬く、声も低い、目も合わないと、最悪な印象しか残らないです。悪い印象は強い記憶として残ります。せっかく選んでくださったお客様へ、丁寧さ・明るさなど、少しでもプラスの印象になる対応は誠意ですよ。



【第33回お題】 ●言葉遣い編●
 「失礼いたします」と料理を運び、また「失礼いたします」とドリンクを運び、何かと「失礼いたします」と言いがちです。

問題
 「失礼いたします」以外でお客様の空間に入る際のフレーズを考えよう

補足情報
 ※今回のシーンはオーダーを伺う際に絞ります


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