ピックアップデザート

台湾の高級フルーツ「台湾アテモヤ」が日本初上陸!

2022年2月21日 8:53 am

 台湾農林水産省と台湾貿易センターは、これまで食品衛生法により日本へ輸出できなかった「台湾アテモヤ(別名:パイナップル釈迦)」を、新たな急速冷凍技術(IQF冷凍)を確立したことで、日本に冷凍品として初上陸させた。今後、日本での認知度を高めて市場拡大を図る。

 12~4月が旬の「台湾アテモヤ」は台東県の特産で、「バンレイシ」(釈迦頭)とチェリモヤを掛け合わせて品種改良したもの。「バンレイシ」の約2倍の大きさながら甘みと酸味のバランスが良く、パイナップルのような香りとアイスクリームのような滑らかさ、弾力ある食感が特徴となっている。また、ビタミンB2やカリウム、カルシウム、マグネシウムなどを豊富に含み、栄養価の高さからも注目されている

 台東県での栽培面積は2800haと世界最大を誇り、除草剤を一切使わず手作業で生産加工しており、台湾ではマンゴーの7~8倍の価格(約400円)で売られている高級フルーツだ。

△カットした「台湾アテモヤ」

 これまで約5万7000t生産するうち約1万6000tを輸出しており、その99%は中国向けだったが、中国が突如輸入停止を通知したことから、新たな販路を確立するため、日本への輸出向けに冷凍技術を開発。追熟後マイナス40℃で急速冷凍して真空パックすることで、味も品質も生と変わらないまま6カ月間保存できるようなったことで輸出にこぎつけた。

△左からWismettacフーズ・岩﨑薫マネージャー、台北駐日経済文化代表処・謝長廷駐日代表、タレント・渡辺満里奈さん、台湾貿易センター東京事務所・陳英顯所長

 

 2月17日に開いた記者会見で台湾貿易センター東京事務所の陳英顯所長は「これまで全く日本に入っていなかったため、まずは認知度向上に向けて大々的にPRし、将来的に2000tの輸出を目指す」と今後の展開を紹介。輸入業者Wismettacフーズの岩﨑薫マネージャーは「全国チェーンの飲食店でフェアなどで使用する計画が進んでおり、ほかの飲食店でもデザートでの導入を検討中だ。業務用・市販用ともに販路を広げていく」と話した。