たかが言葉遣い、されど言葉遣い……。言葉遣い一つで印象が変わりますよ。
【第27回お題】 ●言葉遣い編●
(空いている皿があり)もしよろしかったら、お下げいたします
問題
正しい言葉遣いに変換しよう
■解答
「もしよろしければ、こちらの空いているお皿をお下げいたします」
■解説
正しい言葉遣いにする箇所は「もしよろしかったら」です。「よろしかったら」は「よい」を丁寧語にした「よろしい」を、さらに必要がないのに過去形にしてしまった状態です。過去のことを、目の前の現在進行中に使うことが誤りです。
ですから、今回のお題の解答としては「よろしかったら」を「よろしければ」に変換すればいいのです。今では飲食店以外の接客業全般やドラマなどのセリフでも使われてしまっている、通称「マニュアル語」と呼ばれる言葉で、誤っているけど聞き馴染みはあるので、気にせず使いがちです。正しい言葉遣いで、心地よい場の提供をし、自分の心も磨いていきましょう。
それから、このお題のシチュエーションにおいて、必ずしも接客として正しい表現か?と言われると、もっとより良くできることがあるはず。せっかくの「サービスのチカラ」なので、その解説もいくつか加えましょう。
①「もし~」
「もし」は英語で言うと「if」です。この場合、明らかに空いているお皿があり、下げることは当然のシチュエーションなので、そもそも「もし」は必要ないと考えられます。「よろしければ」は「よい」を丁寧語にしている言葉なので、この場合は「こちらの空いているお皿をお下げしてもよろしいですか?」の方がスマートかもしれません。
また、何も考えずに「もし~」を乱発するよりも、さまざまなシチュエーションに応じて「もし」の代わりに「仮に」「例えば」「もしも」「万が一」などの類義語も活用していきましょう。
②空いている皿
空いているお皿を下げる……バッシングは、飲食店では必ずある行動の一つです。今回の場合、明らかに空いているお皿をバッシングするシチュエーションなので、わざわざ伺う必要があるのかも考えてもらいたいです。
わかりきっている状況で伺うことが、お客様の空間を邪魔しているかもしれないのです。わかりきって空いている皿がある場合「①指先までしっかり伸ばした手で②空いているお皿をゆったりしっかり指し③必ずアイコンタクトをバッチリと」した上で「④特に言葉を発しなくても『お下げします』と想いを目で伝え」れば、空間を邪魔することなく、スムーズにバッシングができます。
バッシングのシーンはフルサービスになればなるほど訪れます。その都度声をかけると少し面倒くさがられます。
最後に、今回とは別に、商品のオススメのシーンや、荷物を持っているお客様に荷物かごのアテンドをするシーンで「もしよろしければ」と使っている方がいますが、間違いではないにしろ、もっとスマートに声かけできる文言をお伝えしましょう。それは「ぜひ」に変えることです。
「本日は牡蠣がオススメです。もしよろしければいかがですか?」→「本日は牡蠣がオススメです。ぜひどうぞ!」
「もしよろしければ、荷物かごをお使いください」→「ぜひ荷物かごをお使いください」
慣れてくると、言葉遣いはテンプレートになりがちです。シチュエーションやお客様の層など、必要に応じた正しくて類義語を複数用意しておくといいです。
マニュアル感のない、目の前のお客様のことを考えてのチョイスが、マンネリ化を防ぎ、親身になっている印象で、ファンが増えていくキッカケになります。
【第28回お題】 ●接客上級編●
ランチタイムの終了間際に入店すると「もうランチタイムは終了なんですよ」と言われ、利用することができなかった……。
問題
どのような対応が考えられるか? お客様が次も利用したいと思える対応を考えよう
このお客様にとっては、このお店に行きたくてようやくたどり着きました。もう少しお客様の気持ちに寄り添った対応があるのでは?
正解者の中から抽選で、遠山啓之さんサイン入りの「サービスのチカラ 今からできる!笑顔のアクション接客編」(税込1980円)を3名に進呈します。応募締切は2月14日(月)到着分まで。
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