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日本酒5銘柄でヴィーガン認証を取得【渡辺酒造店】

2022年2月3日 8:58 am

 岐阜県飛騨市古川町にある酒蔵・渡辺酒造店(岐阜県飛騨市、渡邉久憲社長)は2021年12月、動物由来の食品を一切口にしない完全菜食主義者・ヴィーガン向けに提供できるヴィーガン認証を〈蓬莱 純米吟醸 家伝手造り〉など5銘柄の日本酒で取得した。18年に取得した、ユダヤ教徒が食べてもよいとされるコーシャ認証に続くもの。

 イギリスのヴィーガン認証団体「The Vegan Society」より認証を受けたのは、〈蓬莱 純米吟醸 家伝手造り〉〈上撰〉〈飛騨のどぶ〉〈色おとこ〉〈W(ダブリュー)〉の5銘柄。今後レッテルに認証マークを印字して売り出す。

認定証を持つ渡邉久憲社長と認定商品(左よりW、色おとこ、純米吟醸家伝手造り、上撰、飛騨のどぶ)

 日本酒は米と米こうじで醸造し、動物性原料は使わないものの、ろ過の段階で「滓下げ剤」として動物性たんぱくを利用する場合がある。渡辺酒造店ではもともと滓下げ剤を使用していなかった。

 今回ヴィーガン認証を獲得することで、日本語が読めないヴィーガンでも安心して日本酒を選んでもらえるほか、「飛騨を訪れる観光客へのPR強化と、世界各国に安全で高品質な日本酒・蓬莱をさらに広げていきたい」と意気込む。

 ヴィーガン認証を取得した日本酒を製造する蔵元としては、19年に〈南部美人〉などを製造する南部美人(岩手県二戸市、久慈浩介社長)が国内酒造メーカーとして先駆けて取得。
 そのほか、田中酒造店(宮城県加美町、田畑利彦社長)や永井酒造(群馬県川場村、永井則吉社長)、矢尾本店(埼玉県秩父市、矢尾琢也社長)、神戸酒心館(兵庫・石屋川、安福武之助社長)などがある。

 ワクチン接種普及や新薬の開発などによりコロナ禍が収束したのちは、インバウンドも多少は復活するだろう。観光庁の調査によると、主要100カ国・地域におけるベジタリアンやヴィーガンなどの人口は毎年約1%の増加傾向にあり、18年には約6.3億人に達している。そのうち8割はアジアに集中しているので、ヴィーガン対応できる店は商機がありそうだ。