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大手居酒屋チェーンの店舗数が約2割減で6000店割れに【東京商工リサーチ調べ】

2021年11月26日 2:05 pm

 「大手居酒屋チェーン」の店舗数の減少傾向が続いている。信用調査大手の東京商工リサーチがこのほど、四半期決算時に行っている大手居酒屋チェーンの飲食店舗数調査について、最新調査をまとめた。居酒屋・バーを運営する主要上場14社の飲食店の総計は、コロナ禍前となる2019年12月末時点の7200店舗に対し、21年9月末時点で約2割(17.2%)減の5958店舗まで減少した。[外食日報 2021年11月26日付より]

 大手居酒屋チェーンの店舗数が一貫して減少していることについて東京商工リサーチでは、店舗面積が広くスタッフも多く、都心部のターミナル駅周辺への出店が多く、コロナ禍における度重なる「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」の発令で運営コストがかさむ繁華街やターミナル駅周辺の店舗を中心にスクラップが進んだ結果とする。

 一方で21年に入って以降の店舗数の減少ペースはやや緩やかで、四半期当たり約150店舗のペースが直近では約100店舗ペースまで落ち着いてきた。東京商工リサーチでは、居酒屋業態から焼肉店、唐揚げ専門店など異業態への展開が散見されることを理由に挙げる。

 14社それぞれのコロナ前との店舗数比較では、減少率では49.0%と「金の蔵」などのSANKO MARKETING FOODSが最も高かった。5社がコロナ前から2割以上減らし、特に首都圏主要駅での展開に積極的だった企業で目立つ。増加は串カツ田中ホールディングスのみで、東京商工リサーチでは都心郊外や住宅地など出店立地が多岐にわたることなどを指摘する。

 今後について東京商工リサーチでは、コロナ感染動向をにらみ各社はまだ新規出店に慎重な姿勢で臨むとみられるとし、店舗数は一部業態を除き微減傾向で推移すると予想する。