法人・個人向けソフトウェアやアプリ、AIサービスの開発・販売を手掛けるキングソフトは、同社のAI配膳ロボット〈Lanky Porter〉に店舗で使用しているオーダーシステム用タブレットと連携できる「到着お知らせシステム」を加えることで、これまで導入が進んでいなかった、個室型飲食スペースがある店舗でも導入できるようにした。
〈Lanky Porter〉は飲食店向けに開発された配膳ロボットで、50×43cmの大型トレイで、1段に多くの料理を置くことができ、トレイの取付位置も調整できるので、背の高いジョッキやドリンクの配膳にも対応。耐荷重は1段に付き10Kg、最大40Kgまでとなっている。頭部のディスプレイには笑顔のグラフィックを表示したり、料理などの画像や店舗を紹介する動画を表示して販売促進に活用したりできる点を特徴とする。
また、搭載されたAIが目的地までの距離を計算し、最適なルートでお客さんに料理を届ける。機体の各所に搭載しているセンサーやカメラにより、周囲の人や障害物を正確に検知し走行する安全性も確保している。
今回新たに搭載した「到着お知らせシステム」は、個室前に〈Lanky Porter〉が到着した際に、室内のタブレットにアニメーションとサウンドで到着を通知するシステム。AndroidまたはiOSの通知システムを活用しているため、どちらかのOSを搭載したオーダーシステムであれば連携できるという。
導入する際には、店舗の通路幅70cm以上、0.5cmの段差、斜度5度までを推奨しており、外開きの扉がある場合、急に扉が空いた時にロボットと干渉する恐れがあるため、実際の店舗を確認するなどの作業が必要になる場合があるという。
条件や導入台数などによって変動するため参考価格となるが、〈Lanky Porter〉本体の定価は198万円(税別、保守対応は別途見積り)で、3年レンタルの場合は月5.5万円(同)となる。
同ロボットはサトフードサービスが全国展開する和食ファミリーレストラン「和食さと」の約8割の店舗で導入されている。この経緯についてサトフードサービスは、「繊細に盛り付けられた和食膳メニューの配膳を安心してまかせられるパートナーと取り組みたい」と考え、店舗ごとに設計やレイアウトが異なるといった課題がある中、導入先全店舗で配膳ロボットの走行スピードやルート設定などを細かく検証し、店舗ごとに最適な設定を行ったという。
サトフードサービスは、品質の安定性や運用コストを含めても十分な費用対効果が得られること、キングソフトの保守サポート内容が充実していることなどから、今回、90店舗で追加導入し合計で151店舗となったことを発表した。