インタビュー特集

【インタビュー】日本に輸出したいオーストラリア大使館オススメの魚介類とは?

2021年11月23日 9:57 am

△在日オーストラリア大使館のマレイ・スペンス参事官(商務)

 天然の海産物が高騰する中、太平洋、インド洋、南極海の3つの海に囲まれている島国で、世界第3位の大規模な漁場を持ち、すべての漁場でMSC(海洋管理協議会)認証を取得するなど、最先端のサステナブルな漁業を推進しているオーストラリアは、日本へのアプローチを増やそうと取り組んでいる。

 数千種類の魚介類を生み出しながら、品質と安全性にこだわり、養殖の餌には化学物質や添加物、遺伝子操作されたものは使わず、天然ものについても厳しい漁獲制限を設けることで種の保存と環境保護に努めている。

 今回、11月8日に東京・ビックサイトで開催された「シーフードショー」で、在日オーストラリア大使館のマレイ・スペンス参事官(商務)が、今後日本に輸出したいと考えるオススメ2種を紹介した。

△オススメの「バラマンディ」「タコ」と「アトランティックサーモン」

 まずイチオシとして勧めるのが、オーストラリアの固有種でスズキ科の「バラマンディ」だ。北部準州で養殖されており、海水で飼育することで泥臭さがなく、白身魚のクリーンな味わいを楽しめるという。

 「オーストラリア国内では大手スーパーマーケットで販売しており、年間を通して安定した味と外形で供給できる。すでにアジアへの輸出実績はあるので、今は日本への新規参入を目指している」(スペンス参事官)という。

 続いて日本に流通させたいのは「タコ」だという。西オーストラリアの手付かずの海岸線にしか生息していない「ウェスタン・ロック・オクトパス(オクトパス・ジナ)」で、ロック・ロブスターやアワビ、ホタテといった上質な水産物を餌としており、国内外の有名レストランなど1200カ所で使用されているという。

 スペンス参事官は「海外には『プレミアム 生タコ足』や『プレミアム タコ足・調理済み』『タコマリネ』などを出荷しているものの、日本にはまだ輸出していない。味が非常によく、日本人にも喜ばれると思われるので、ぜひ日本市場にも売り込みたい」と意気込む。

 このほか、日本にも多く輸出している「ロブスター」や「マグロ」「アトランティックサーモン」「メロ」なども紹介。スペンス参事官は、「オーストラリアには約4000種超の魚種と、数千の無脊椎動物を含む生き物がいるため、まだまだ知られていないものが多い。日本は距離的にも近く、鮮度の良いものを提供できるので、オーストラリアのシーフードについても広く知ってほしい」と訴えた。

△豊富な魚介類を揃えるオーストラリア