昨年、「串カツ田中」が自店の店舗名の権利を販売して一定期間、店名を変えたことが話題となったが、店舗や料理のメニューなどに好きな名前を付けられる権利を手軽に販売できるサービスがじわりと注目を集めつつある。
広告プランニングや企業のブランディングなどを手掛けるザイグー(東京・恵比寿、名取秀起社長)は、さまざまなネーミングライツ(命名権)を誰でも手軽に販売・購入できるネーミングマッチングサービス〈namee(ネイミー)〉(https://namee.jp)を展開しており、飲食店の利用者が増え始めている。
2020年11月からサービス提供を始めた「namee」は、オーナー(モノやコトの所有者)とネーマー(ネーミング希望者)をマッチングすることで、さまざまなネーミングライツを手軽に販売・購入できるプラットフォームサービスだ。
個人でも法人でも利用でき、例えば新しく開業する施設や店舗の名前のほか、駅名、料理名、サービス名、スポーツ大会などのイベントのタイトル、ミドルネームなど形のあるモノから形のないコトにまでネーミングの権利を販売することができ、オーナーはアイデア次第でどんなものでも出品できるのが売りだ。
購入されたネーミングを採用する期間もオーナー側で設定できるほか、ネーマー(購入者)に1品無料やコーヒー1杯半額などの特典を付けることもできる。3月25日現在、夏に向けたオリジナルかき氷の新商品名や、沖縄料理店の〈にごりレモンサワー〉のメニュー名などが販売されており、購入されるとメニュー表にネーマーが考えたネーミングが掲載されることになる。
ネーマーにとっては、自分が考えたメニュー名を掲載することで好きなお店を支援することにつながるほか、友人や知人に自慢したり、使い方によっては家族や恋人へのサプライズとしての活用もあるという。
今回、コロナ禍で厳しい状況が続く飲食業界を支援する目的で、6月30日まで飲食店オーナー限定で、通常15%かかる手数料を無料(別途、決済手数料の3.5%は必要)とすることとした。