「ブラン・ド・ノワール 」という言葉をご存知だろうか。
これは、フランス語で「黒の白」という意味で、黒ブドウのみを使用して造られたシャンパーニュを指す。
通常、白ワインというのは白ブドウという果皮が緑色のブドウを搾り、その果汁だけを発酵させたものを指す。
そして、赤ワインは、黒ブドウという果皮が青紫から黒色のブドウを、皮と果汁を一緒に置くことで皮の色素や香りなどさまざまなな成分を果汁に移すマセレーション(醸し:ブドウ果皮を果汁に接触させること)をして発酵させて造る。これが通常の造り方だ。
今回紹介するチリ産白ワイン〈ナティバ カルメネール ナチュラルホワイト〉750ml×12(輸入元・日本酒類販売/参考価格:税別790円)は、シャンパーニュで言うところの「ブラン・ド・ノワール」と同様の概念で造られたワイン。この製品は、チリの固有黒ブドウ品種である「カルメネール」の果汁のみを発酵させて造ったスティルワイン(非発泡ワイン)なのだ。
しかし、ただ果汁を発酵させて造ったものではない点が新しい。
それはどういうことかというと、ブドウは収穫して運搬、仕込むまでの間に、少しずつだが、ブドウ自身の重みで自然に潰れ、搾汁が始まる。もちろん、空気に触れて酸化も進む。そのため、収穫から運搬、仕込みの時間をいかに縮め、デリケートに扱うかによって、果汁の品質が大きく変わってくるわけだ。〈ナティバ カルメネール ナチュラルホワイト〉は、その工程から細部にわたってこだわった商品だという。
収穫からプレスまでを3時間以内という、極めて短い時間で収めた。さらに、重みで自然に流れ出てくるフリーラン果汁をはじめ、「カルメネール」の風味をワインで表現するため、異なる果皮由来の味わいや色など、数種のプレス果汁を取り分け、最終的に色合いと味わいをブレンドして調整した「ナチュラル・ホワイト製法」を採用して造ったワインなのだ。
そうして得られた果汁は、20日間、低温発酵によりアロマを引き出した後、シャルドネ種とブレンドすることでフレッシュさとアロマあふれる味わいに仕上げたという。
ちなみに、これまで「カルメネール」には「シラー」をブレンドして赤ワインを造ることが一般的だったが、今回は白ワインのチャレンジで、「シャルドネ」とのブレンドもこれまでの歴史上初めてだった。
ブドウの割合は「カルメネール」85%、「シャルドネ」15%で味わいは辛口。キノコのマリネやサバ缶カレー、焼き餃子などに合うという。
今回、この世界初の白ワインを世界に先駆けて日本市場で発売することとなった日本酒類販売では、業務用と市販用とを合わせて年間6000ケース限定での販売を計画。発売は5月を予定している。