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要望に沿ったオリジナルリキュールを30Lから委託製造【K.S.P】

2023年3月8日 10:19 am

 国産ハーブリキュール「WAKA」シリーズや日本のお茶を使用した「茶酒」シリーズなどのリキュールを製造・販売しているK.S.P(岩手・金ケ崎町、老川和磨社長)は、30Lという小ロットからのリキュールの委託製造を始めた

 近年、国産リキュールへの注目が高まりつつあるものの、酒類製造免許の新規取得には設備の導入や年間6キロリットルの生産量などの条件があり参入へのハードルは高い。一方、同社が保有する「リキュール製造免許」は、複数ある酒造免許の中でも原料にさまざまな食材を使用できる特性がある。そのため、リンゴや葡萄などといった果実やセロリやきゅうりなどの野菜も原料として使用でき、アルコール度数や糖度、ベースになるアルコールの種類まで自由に選択できる点が特徴となっている。

 また、同社は自社でハーブ畑を持っていることから、リキュールの原料にハーブを使うことも可能だ。開発責任者の老川氏は、カナダ・バンクーバーでバーテンダーとして働いていた経験があり、帰国後は都内でハーブ専門のバーを営み、19年にはカクテルコンペティションで日本トップ10に選出されるなどの経歴の持ち主。そこで今回、地元に眠っている未利用資源や余っている農産物など全ての植物に付加価値をつけて「リキュール」として再プロデュースすることもできる委託製造のサービスを始めた。

 同サービスは個人や法人、自治体など誰でも利用でき、使用する原料や味、予算などの要望を聞いた上で老川氏など酒のプロフェッショナルが多様な商品を提案する。また、同社にはデザイン部門もあることから、商品の企画・製造・パッケージデザイン・販売までを一貫して行うことでコストを最小限に抑えられるという。