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厨房のオペ見える化し注文から提供までの時間を測定するモバイルオーダーシステム誕生【LOOP】

2020年10月16日 11:55 am

 注文が入ってから料理が提供されるまでの時間は、顧客の印象に大きく影響する。店によってはスタッフの配置や時間帯によって、同じメニューであっても提供時間に大きな違いが発生し、その結果、顧客満足度を下げる要因となっていることもある。しかし、厨房のオペレーションについてはデータ化されていないことが多く、その原因や改善点を見つけ出せるかどうかは、店長やスタッフの能力や裁量に左右されることが多い

モバイルメニューのサンプル画面

 さまざまな課題をITで解決することを目指すShock Tech(ショックテック、東京・新宿、四方田祐児社長)は、来店客がスマホでQRコードを読み取り料理を注文すると、料理提供までの時間を自動的に集計するオーダーデータプラットフォームサービス「LOOP(ループ)」https://loop.shocktech.co.jp/の提供を始めた

 売上や注文メニューなどのデータを活用するサービスはあるものの、オペレーションを可視化して課題解決につなげるサービスは少ないことから、同社はモバイルオーダーとキッチンディスプレイを組み合わせた独自システムを開発した。

 QRコードを使って来店客がスマホに表示されたメニューから注文すると、キッチンディスプレイにその注文が表示される。厨房で調理が完了すると「提供完了」のボタンをタッチしてチビ伝票を印刷し、ホールスタッフに渡す。このデータを基にメニュー別、時間帯別、スタッフ別などの提供時間の違いや遅延率を算出して、どこに課題があるか、どこに改善する予定があるかを分析できる

 さらにキッチンディスプレイには、提供の遅延状況をリアルタイムで確認できる機能も搭載。各商品の標準提供時間を5~10分過ぎると青色、10~15分だと黄色、15分以上だと赤色で表示することで、ピーク時でもどの注文を優先するかの組み立てがしやすくなり、サービス向上につなげられるという。また、集計したデータをどのように活用するかのコンサルティングも行う。

 MS&Consulting出身の四方田祐児社長は「売上だけで店長を評価すると、潜在的なリスクに気づけない。モバイルオーダーとキッチンディスプレイを組み合わせて提供時間をデータ化することで、料理、店、個人スキルのどこに問題があるかをコンサルティングできる。また、リアルタイムで遅延状況がわかるので、厨房での段取りがスムーズになり、顧客満足度の向上につながる。非接触型のモバイルオーダーなので、新型コロナ対策にもなる」と話す。

 導入するには1店舗あたり初期費用10万円(税別・以下同)と端末代に、月額2万9800円と決済手数料3.24%がかかる。モバイルオーダーのメニュー表のデザインはメニューデザイン研究所が手掛けた。