現在提供されているデリバリーサービスが抱える、店舗側が支払う手数料と利用者が支払う配送料の高さや、複数店舗の料理をまとめて注文できないという課題を解決するサービスが、東京・渋谷エリアで始まった。
SYN(シン、東京・池尻大橋、大見周平社長)は8月6日、渋谷駅から3km圏内で特色のある個店などの料理を注文できるフードデリバリーアプリ「Chompy(チョンピー)」(https://chompy.jp/)をリリースした。
同サービスの売りである独自機能として、2人以上の複数人で同じ店舗のカートを共有することでまとめて注文でき、決済はそれぞれのスマホでできる「グループ機能」や、1時間前までに注文すれば、複数の店舗にまたがる注文を一緒に届ける「らくとく便」を搭載。両サービスとも、通常300円かかる送料は無料となり、職場や家庭などでの利用を促す。
地域に根ざした食のインフラを目指し、他のデリバリーサービスに出店していない個店などの料理を高い品質で届けることをコンセプトとしたサービスであるため、加盟の申し込みがあった店については、実際にスタッフが料理を食べたり、口コミなどを参考にして審査する。
加盟する際には初期費用10万円が必要となり、取引手数料は大手デリバリーサービスよりも低い30%とした。売上金は日曜日に締めて翌火曜日に支払う。また、加盟店に対して、デリバリーに適したメニューやパッケージについてのアドバイスやメニューにあわせたシズル感のある写真の撮影、「店長からの一言」の掲載、アプリ内のランダム表示でスポットライトが当たる場作りなどを通して、「お店・料理の魅力」がしっかり伝わるユーザー体験を提供する。すでに400店以上の店舗が登録しており、配達員は経験者のみを採用し、適切な報酬と研修・補償などを提供することで配送品質を確保する。
大見社長は、「飲食店の経営者はお客さんと直接触れ合うことを求めていることから、今後、店舗とお客さんを直接つなげたり、『Chompy』から店舗に送客する仕組みを作っていく」としている。同社は地域でNo1シェアを取ってからエリアを広げるドミナント戦略を取るため、まずは渋谷とその周辺エリアでの普及を目指す。