養豚場から手掛け
最新技術で製造を
【NOEL】
●スペイン第4位の食肉会社●
次に訪れたNOEL Alimentaria(ノエル・アリメンタリア、以下ノエル)もEJEH同様、家族経営の会社だ。
カタルーニャ地方のガロチャで1940年に創業し、4代目となる現在では約2600人の社員を抱え、15カ所の工場を持ち、年商は約1000億円。食肉食品会社としてスペイン国内で第4位の規模を誇る。肉製品のほか、牛乳やクリーム、ガスパチョなどの製品も製造する。
約3年前から8カ所の養豚場を保有し、製造する豚肉食品の約60%にあたる13万頭の豚を肥育している。マーケティング・ディレクターのマリア・サンチェス・メルカデルさんは、「将来的には、豚肉製品の100%を自社の豚で賄うことを目指している」という。
世界66カ国に輸出しており、売上は会社全体の50%を占める。アジア市場では韓国が最大のマーケットで、その次が日本だ。同社の製品は最も多くCJSE認証を受けており、代表のアナ・ボッシュ・グェルさんはCJSE代表も務めている。
●最新の機械設備で製造●
同社のハモン・セラーノの製法も、EJEHと大きくは変わらない。営業マネージャーのジョアン・リョレンスさんは、「製造の初期からパッキングに至るまで、最新の技術とロボティクスを導入しており、高い品質基準を維持して輸出要件を満たしている」といい、こう続ける。
「最も重要なのは、最初に入荷する豚肉の状態だ。鮮度を確認後、X線装置などを使用して重量や脂肪分の割合を自動計測する。これにより、どのように熟成させるべきかが決められる」
その後は一般的なハモン・セラーノの製造工程に入る。地中海の未精製の粗塩を使用し、保存料不使用で最低1年熟成させる。
さらに、機械によるスライス工程では、パック製品の脂肪と肉の比率が均一になるように自動制御する。例えば60gのパックで脂肪分は20%という目標で脂肪の割合が少ない場合、機械が自動的に厚くスライスして調整する。「この制御により、消費者がハモン・セラーノを食べた時に、常に同じ比率の脂を摂取できるようにしている」という。製品によって厚みや枚数が異なることがあるのは、このためだ。
また、商品の安全性と長期保存を可能にするため、6000気圧相当の水圧で微生物を不活性化する「超高圧殺菌(HighPressure Processing)」という技術を採用。
「コストはかかるが、非加熱殺菌できるのでハモン・セラーノ本来の風味を損なわず、肉の細胞も壊れない」と話す。これにより、賞味期限が約20日延長できたという。
◇ ◆ ◇
規模や設備などは異なるものの、2社ともハモン・セラーノにかける情熱が感じられた。高い自社基準に加え、CJSEの厳格な審査をクリアした認証付きハモン・セラーノであれば、自信を持って店で提供できるのではないだろうか。
ノエルのジョアンさんは、「日本の取引先から生ハムを使った寿司を提供され、生ハムの持つ可能性を初めて知り驚いた。日本のシェフにはハモン・セラーノを使った創造的な料理をたくさん考案して、その情報を共有してほしい」と述べた。










