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飲食業界に朗報!! 瞬間凍結の「ハイブリッドアイス」だからできる驚異の鮮度維持技術が実用化へ!【ブランテックインターナショナル】

2019年12月5日 12:01 pm

 ブランテックインターナショナル(東京・永田町、廣兼美雄社長)は、これまでは無理だと言われていた高濃度塩水(23.5%)を瞬時に凍らせることに成功し、高濃度塩水を凍らせた「ハイブリッドアイス」を作る製氷機を開発。鮮魚流通への本格導入を見据えて、実証実験を開始した。

 塩分濃度(1~23.5%)と製氷温度(-1~-21.3℃)に加えて、氷の形状を雪状か泥状にするかも自由に設定して作り分けることができる同製氷機を使うと、それぞれの魚種に合わせた最適な温度、塩分濃度に調整して凍結でき、菌や死後硬直後の酵素分解を抑制できる。これにより、鮮魚の長時間にわたる高鮮度保蔵と長距離輸送が可能になる。

 従来の冷凍技術に比べて約20倍以上のスピードで対象物から熱を奪うことから、活魚を「ハイブリッドアイス」に潜らせるだけで、瞬時に高度な活け締めができる。凍結した際の内部の細胞1つひとつも原型に近い形で保たれるため、解凍後のドリップも少ない

 1尾をそのまま凍結するだけでなく、パック詰めした切り身を数分間潜らせるだけで同様に凍結でき、同じように新鮮さが維持される。このため、凍結した切り身をそのまま切って出すだけで、新鮮な刺身をメニューとして提供することも可能だという。 

 同社は、「使用するのは水と塩のみで短時間でできるため低コストで導入できる。これまで日持ちせずに地元で消費するしかなかった獲れたての魚介類や少量しか獲れず市場に流通しなかった地魚を、新鮮な状態のまま首都圏や都市部に輸送できる。漁師が市場を通さずに直接鮮度のいい魚介類を販売するようになれば、これまで流通しなかった魚種を都市部の飲食店でもメニューに載せることができ、新たな地方の魅力を伝えられるとともに、漁師の収入増にも繋げられる」と話す。

 同アイスで凍らせた魚介類が、すでに東京・銀座の寿司店や天ぷら店など一部店舗向けに納品されているという。

 実際にその鮮度を体感したい人は、埼玉・大宮駅西口イベントスペースで開催されているJR東日本スタートアップによるイベント「スタートアップ ステーション」〈気仙沼産メカジキ(中トロ)〉や〈石川の甘エビ〉、〈広島産 健牡蠣〉、〈ボイルむき セイコガニ〉を販売しているため、足を運んでみるのもいいかもしれない。

 同イベントは、ベンチャー企業と新たなビジネスを創出するためにテストマーケティングを実施する企業を採択する「スタートアップ プログラム」の実証実験の場として提供しているもので、今回が3回目。ほかにも「スタートアップ プログラム」に選ばれた、10種の日本酒をテイスティングしてAIがその人の好みに合った味覚を判定するキット「YUMMY SAKE(ヤミー サケ)」を提供するMIRAI SAKE COMPANYと、ほぼ無人で営業できるロボットカフェを開発したQBIT Robotics、スイーツなどの型崩れしやすく消費期限が短い冷蔵品を管理し販売できる自動販売機を開発したブイシンクの3社が出店している。