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2024年インバウンド予約数は18%増で過去最高に! 「Google で予約」経由が約4割増【エビソル調べ】

2025年3月11日 8:43 am

 飲食店向け予約・顧客台帳システム〈ebica(エビカ)〉や、主要グルメサイトと在庫連携できる〈グルメサイトコントローラー〉、AIスタッフ「さゆり」による電話予約応対サービス〈AIレセプション〉などを運営・提供するエビソル(東京・恵比寿、田中宏彰社長)がまとめた「2024年飲食店予約レポート」によると、インバウンドの予約は前年比118%となり、〈ebica〉のサービスが始まった2015年以来で過去最多の予約数となった。

 同レポートは、国内で約1万5000店舗が導入する〈ebica〉と〈グルメサイトコントローラー〉のデータを基に、2024年1月から12月までの期間の飲食業界の集客や予約に関する消費者の動向をまとめたもの。

 2024年は飲食店のネット予約で大幅な増加が見られる結果となり、特に「Google で予約」経由の予約に関しても同136%と高い数値となった。また、全体での絶対数は少ないものの、OTA(オンライン旅行予約サイト)経由による予約が同200%となった。

 同社は「『Google で予約』では席のみの予約だけだが、OTAではインバウンド向けの特別なコースなども掲載されている。外国人観光客のニーズとして、より日本を楽しめる専用コースを楽しみたいという意向があることが示唆される結果となった」と説明する。

 客単価についても同109%と上昇。物価高騰に伴うメニュー価格の改定が大きく影響していると見られる中、予約経由の客単価が114%と高い伸びを示していることから、予約経由の場合、比較的単価の高いメニューやコースを選ぶ傾向が強いことが想定される。

 年間を通じての総来店数も同105%と増加。特にネット予約の伸長が目立ち、同113%だった。一方で電話予約は同93%に減少しネット予約への移行が進んでいることが明らかになった。

 ネット予約の経路別成長率を見ると、グルメサイト経由の予約が同114%、店舗公式サイトやLINE公式アカウントなどを含むダイレクト予約(オウンドメディア)が同111% となり、いずれも順調に成長していることもわかった。

 

 同社は、「オウンドメディアからの予約には自社ホームページや会員アプリ、LINE公式アカウント、InstagramやXなどのSNS、『Google で予約』などのGoogleサービスが含まれ、多様な消費者の検索導線に応じて『ダイレクト予約』の割合を高める動きが各飲食店において重要となる。一方、依然としてグルメサイトからの予約数がダイレクト予約を上回っており、新規集客を含む重要な導線としてグルメサイトを並行して活用していくことも求められる」と分析する。

 今回のレポート結果から同社は「2025年は外食産業における『インバウンドシフト』が本格的に加速する1年になると予測される。事前予約型のインバウンド需要が更に増加することが期待され、飲食店が集客や予約管理の『インバウンドシフト』を行うことで、集客効率化や客単価向上のみならず、計画的な仕入れや人員配置が可能となり、経営効率の向上にもつながることが見込まれる」との見通しを示した。