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顧客離れにつながる!? 「カスハラに適切な対応取れない店は利用したくない」が4割超に【KiteRa調べ】

2024年6月24日 11:22 am

 社内規程管理クラウドの企業向けサービス〈KiteRa Biz(キテラビズ)〉などを手掛けるKiteRa(東京・青山、植松隆史社長)が実施した「カスタマーハラスメントに関する調査」によると、約3人に1人がカスタマーハラスメント(カスハラ)が発生している場面を目撃したことがあり、4割超が「カスハラに適切な対応が取れていない店舗やサービスを利用したくない」と回答したことが分かった。

 最初に「カスハラが発生している場面を目撃したことはありますか」との質問に、「はい」と回答した人は34.1%だった。その「はい」と回答した人に「どの場面で遭遇したことがありますか」と質問したところ、スーパーや百貨店などの「小売店」が最多で59.5%となり、次いで「飲食店」が32.2%、鉄道やバスなどの「公共交通インフラ」が22.0%という結果になった。

 さらに「カスハラが発生している場面で、サービス提供側の企業や人が取った対応(態度)は適切であると感じましたか」には、「はい」と回答した人が56.6%と半数を超え、「いいえ」が15.6%、「どちらでもない」が27.8%だった。「はい」と回答した人に「適切な対応」だと感じた理由を聞くと、「感情的にならず冷静に対応していたから」が71.6%を占め、「丁寧な説明をしていたから」(41.4%)が続いた

 一方、「いいえ」(適切でない)と回答した人にその理由を聞くと、最多の回答が「顧客に言われっぱなしの対応をしていたから」(43.8%)となり、次いで「従業員同士で連携した対応が取れてなかったから」(37.5%)「説明が不十分だったから」(28.1%)という結果となった。

 

 そこで、「カスハラに対して適切な対応が取れていないお店やサービスを今後も利用し続けたいと思いますか」と質問をしたところ、「利用したい」と回答した人は12.8%で、「利用したくない」が40.4%、「どちらでもない」が46.8%だった。

 「利用したくない」と回答した理由については、「気持ち良くサービスを利用できなさそうだから」(38.3%)、「トラブルや事件に巻き込まれそうだから」(35.4%)、「イメージが悪いから」(28.0%)となり、カスハラを受けた際に適切な対応を取れなかった場合、その後の顧客離れにつながる可能性があることが分かった。

 また、「カスハラの加害者になったことがある」と回答した9.0%(54人)の人にその原因を聞いたところ、「商品の欠陥やサービスの提供ミス」が38.9%でトップとなり、「企業や従業員の態度が適切でなかったから」(31.5%)、「長時間待たされた」(27.85)と続いた。

 同社は今回の調査結果を受けて、「カスハラの増加に企業側の対応が追い付かなかった場合、職場環境悪化に伴う離職者の増加や企業イメージの悪化によって事業継続が困難になる可能性があります。さらに、企業には安全配慮義務の一環として、カスハラを防止する措置をとる法律上の義務があります。カスハラへの対策を整えることで従業員の安全を確保し、従業員の離職や休職の防止、さらに企業の生産性向上・職場環境の向上が期待できます。従業員と企業の双方が安心して働ける環境(世界)実現に向けて、カスハラに関するルールを整備し周知・運用していくことと、従業員へカスハラ研修を実施するなどのサポート体制を強化することは、企業が最も取り組むべきことです」との考察を示した。

 調査は5月30日、全国の20代以上の男女にインターネットで実施し、601の有効回答を得た。