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2023年はラーメン店倒産・休廃業が調査開始来最多の74件に【東商リサーチ調べ】

2024年1月24日 2:47 pm

 東京商工リサーチはこのほど、ラーメン店の倒産および休廃業・解散について2023年の年間動向をまとめた。負債1000万円以上の倒産については前年比で約2.1倍の45件(図表参照)だった

 中小企業の返済負担を軽減する中小企業金融円滑化法の実質終了が響いた13年の42件を超え、09年の調査開始以来で最多。負債を残さない形の休廃業・解散は同31.8%増の29件と、こちらも最多となった。

東京商工リサーチによる、ラー
メン店の倒産、休廃業・解散の
推移

 飲食業界にはコロナ禍で実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」を活用した企業が中小企業などに多く、23年はその返済が順次始まったものの、コロナ禍前ほどに客足が戻らないなか、食材費や水道光熱費の高騰、人手不足による人件費の上昇などが増えて企業の資金繰りを圧迫した。

 ラーメンは明確なプライスリーダーが不在のジャンルだけに、値上げが客離れを促すリスクもあり、コスト負担増が経営の重荷になった。主な倒産は福岡のマルゼンラボラトリー(負債額3億2400万円)や千葉のディ・プラン(同3億円)など。倒産のうち資本金1000万円未満の企業によるものが同2.3倍の40件と約9割を占めた。